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フックの法則とは、弾性状態では応力とひずみが比例関係にあるという法則です。
鋼では、弾性域ではフックの法則が成立しますが、降伏後は成立しません。
今回はフックの法則の意味、公式、単位、応力とヤング率との関係について説明します。
※比例関係、応力ひずみ関係、弾性と塑性の意味は、下記が参考になります。
比例関係とは?1分でわかる意味、グラフ、正比例との違い、負比例
応力ひずみ線図とは?1分でわかる意味、ヤング率と傾き、考察、書き方
塑性とは?1分でわかる意味、靭性、延性、弾性との違い、対義語、塑性変形能力との関係
フックの法則とは、「弾性状態では応力とひずみが比例関係にある」という法則です。下式で表します。
σ=Eε
σは応力(応力度)、Eはヤング率、εはひずみです。※応力度、ヤング率、ひずみの意味は下記が参考になります。
応力ひずみ線図とは?1分でわかる意味、ヤング率と傾き、考察、書き方
ひずみとは?1分でわかる意味、公式、単位、計算法、測定法、応力
公式の意味は後述しますが、フックの法則が成立するとき、下記の特徴があることを覚えましょう。
・応力とひずみは比例関係にある
・材料に力を加えると変形するが、力を取り除くと元の状態に戻る
フックの法則が成立する状態では、材料を両側から引張り伸ばしても、力を抜けば元の状態に戻ります。これを「弾性」といいます。※弾性の意味は下記も参考になります。
弾性とは?1分でわかる意味、例、塑性との違い、対義語、金属とゴムの関係
これはバネの動きに似ています。バネは伸縮します。力を加えると伸び縮みしますが、力を抜くと元の状態に戻ります。下図をみてください。バネの先に重りを付けます。重りの力でバネは伸びます。重りを外すと、伸びが無くなります。
フックの法則は、あらゆる材料に当てはまります。例えば、木材や金属、繊維等。
フックの法則を体験しようと思うと、物を引張るのが一番良いです。適度に柔らかい材料(消しゴムなど)を引張ると、直感的に理解できるでしょう。
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フックの法則の公式は下記です。
σ=Eε
σは応力(応力度)、Eはヤング率、εはひずみです。なお、建築ではσを応力度といいますが、他分野では応力ともいいます。今回は応力とします。
また、フックの法則は下式で表すこともできます。
f=kx
fは力、kはバネ定数、xは物体の変位量です。詳細は下記をご覧ください。
f=kxとは?1分でわかる意味、各記号の単位、フックの法則との関係
前述したバネの例え話は、まさに上式を表しています。元々、フックの法則は外力(f)と変位(k)の関係式です。
部材断面の大きさ、引張る部材の長さで、バネ定数kが変化します。材料の特性を知るためには都合が悪い式です。
そこで考えられたのが、σ=Eεです。
なお材料の種類で、変形しやすいさは異なります。これはバネ定数kが材料毎に違うからです。※ばね定数の意味は、下記も参考になります。
ばね定数とは?1分でわかる意味、公式、ヤング率、単位、求め方
ばね定数の単位は?1分でわかる単位と意味、計算方法、ヤング率、kg/mmとの関係
フックの法則の単位を下記に整理しました。
σ ⇒ N/m㎡
E ⇒ N/m㎡
ε ⇒ 単位無し(無次元数)
f ⇒ kNまたはN
k ⇒ kN/cmまたはN/mm
x ⇒ cmまたはmm
※応力度やひずみの単位は、下記も参考になります。
ひずみとは?1分でわかる意味、公式、単位、計算法、測定法、応力
フックの法則で重要なのは、ヤング率Eです。数学的に言うと比例定数です。
Eは弾性係数またはヤング係数、ヤング率といいます。弾性係数Eは部材断面や長さに影響しないので、材料の特性そのものを表しています。※ヤング率の意味は下記も参考になります。
また、せん断応力τとせん断ひずみγも比例関係です。下式をみてください。
τ=Gγ
Gはせん断弾性係数といいます。せん断弾性係数は下記が参考になります。
前述したフックの法則は、2次元での話です。物体は3次元なので、フックの法則も3次元用に拡張する必要があります。
今回はフックの法則について説明しました。意味が理解頂けたと思います。
フックの法則は、応力とひずみが比例関係となる法則です。フックの法則の意味、弾性、ヤング率、ひずみの意味など、難しい用語が多かったでしょう。
下記の記事も、是非読み進めてくださいね。
ひずみとは?1分でわかる意味、公式、単位、計算法、測定法、応力
f=kxとは?1分でわかる意味、各記号の単位、フックの法則との関係
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