この記事の要点
あと施工アンカーは、硬化したコンクリートに後から穿孔してアンカーを埋め込む工法です。
耐震改修で既存躯体に壁や柱を増設するとき、新旧コンクリートをつなぐために広く使われます。
設計業務で使う場面が多いのは、接着系アンカーの引張耐力検討です。
メーカーごとに提供している設計用引張耐力表と、コンクリートの強度・埋め込み深さを照らし合わせて安全率を確認します。
施工後は引張試験で品質確認まで行うのが通常の流れです。
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あと施工アンカーをご存じでしょうか。建築物の耐震改修で用いられるアンカーのことです。今回は、あと施工アンカーについて説明します。あと施工アンカーには、接着系アンカーと金属系アンカーがあります。詳細は下記が参考になります。
接着系アンカーとは|材質・埋込長さの設計方法をわかりやすく解説
なお、新築の建物に使うアンカーボルトは下記が参考になります。
アンカーボルトとは?規格(SS400等)・サイズ・種類・埋め込み深さの計算
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下図をみてください。これは、あと施工アンカーの1つで、接着系アンカーの断面図を示しています。
このように、あと施工アンカーは、既存鉄筋コンクリート造の躯体にあらかじめ孔を空け、そこに接合するアンカー筋およびアンカー筋を埋め込む工法のことです。
あと施工アンカーの名前の由来は、「後で施工するアンカー」のことです。「後で」とは、「建物ができあがった後で」という意味です。後述する理由より、新築であと施工アンカーは使えません。
あと施工アンカーは、大まかに下記の2種類あります。
それぞれに特徴がありますが、接合方法に安定性のある接着系アンカーが一般的に用いられています。
アンカーと既存鉄筋コンクリート躯体を、機械的に接合する方法です。詳細は、下記の記事が参考になります。
アンカーと既存鉄筋コンクリート躯体を、接着剤による接合する方法です。詳細は、下記の記事が参考になります。
さらに詳細に分類すると、下図のように多くの種類があります。
あと施工アンカーの使用は、新築物件には使用できません。
新築建物は、建築基準法により接合方法が規定されています。
主要な接合部は、高力ボルトやリベット、溶接のみ使えます。
また、あと施工アンカーは許容応力度や材料強度が建築基準法で規定されていません。
よって許容応力度計算が出来ないことを意味し、使用できないのです。
一方、耐震補強(改修)は建築基準法に縛られるわけではなく、「耐震改修促進法」という別の法律で設計法が示されています。そちらの規準では、既存建物に対してあと施工アンカーの使用が認められています。
混同しやすい用語
接着系アンカー
穿孔内に接着剤(エポキシ樹脂など)を注入してアンカーボルトを固定する方式。
振動・衝撃荷重に強い。
金属系アンカー
アンカー本体を拡張・変形させることで機械的に固定する方式(打込み式・締付け式など)。
施工が比較的簡易。
あと施工アンカーを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 接着系アンカー | 接着剤で固定する方式 | 振動・衝撃荷重に強い |
| 金属系アンカー | 機械的に固定する方式 | 施工が比較的簡易 |
| 使用可否 | 新築不可・耐震改修では使用可 | 耐震改修促進法に基づく |
今回は、あと施工アンカーについて説明しました。あと施工アンカーの意味や使い方が理解頂けたと思います。金属系アンカーや、接着系アンカーの説明も行いましたので、併せて参考にしてください。
既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・改修設計指針・同解説 耐震改修促進法に基づく国土交通省大臣認定耐震診断及び耐震改修に関する指針と解説より
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