建築学生が学ぶ構造力学

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令和元年度 一級建築士 構造 No.27を解説、木材に関する誤りを見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.27は、木材に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

木表と木裏の反り、密度と強度、方向による乾燥収縮率、含水率と弾性係数が問われます。決め手は、乾燥収縮率が年輪の接線方向と半径方向でどちらが大きいかです。

引っかけの核心は、乾燥収縮率を「年輪の接線方向より半径方向のほうが大きい」としているところです。収縮率は逆で、半径方向より接線方向のほうが大きくなります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 木表は木裏より乾燥収縮率が大きいため、木表側が凹に反る性質があります。正しい記述です。
2 ○(正しい) 木材の強度は、同じ乾燥状態であれば、密度が大きいものほど高くなります。正しい記述です。
3 ×(最も不適当) 乾燥収縮率は、半径方向より接線方向のほうが大きくなります。半径方向のほうが大きい、とする点が誤りです。
4 ○(正しい) 構造用材料の弾性係数は、気乾状態から繊維飽和点に達するまでは、含水率が大きくなるにしたがって小さくなります。正しい記述です。

選択肢3は、乾燥収縮率を半径方向のほうが大きいとした点が誤りで、正しくは接線方向のほうが大きくなります。

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選択肢3のポイント

木材は、乾燥すると縮みますが、その縮み方は方向で大きく異なります。収縮率が大きい順に並べると、接線方向(年輪に沿う方向)>半径方向(年輪に直角の放射方向)>繊維方向(幹の長さ方向)です。

接線方向の収縮は半径方向の約2倍とされ、繊維方向はごくわずかです。この方向差があるために、板は反ったり割れたりします。木表側は接線方向の収縮が大きく現れるため、木表側が凹に反るのです(選択肢1)。

選択肢3は、半径方向のほうが接線方向より収縮率が大きいとしていますが、大小関係がで誤りです。「収縮率は 接線>半径>繊維 の順」と押さえます。

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覚え方

  • 木材の乾燥収縮率は、接線方向>半径方向>繊維方向の順
  • この方向差が反り・割れの原因。木表側が凹に反る
  • 強度は、同じ乾燥状態なら密度が大きいものほど高い
  • 弾性係数は、繊維飽和点までは含水率が大きくなるほど小さくなる

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理解度チェック

Q.

木材の乾燥収縮率は、年輪の接線方向より半径方向のほうが大きい。〇か×か。

×。収縮率は接線方向のほうが大きくなります(接線>半径>繊維の順)。

Q.

木材の弾性係数は、含水率が繊維飽和点に達するまで、含水率とともにどう変化するか。

含水率が大きくなるにしたがって小さくなります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 木材(乾燥収縮率は接線方向>半径方向>繊維方向、密度と強度、木表の反り、含水率と弾性係数):木質構造設計規準・同解説(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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