この記事の要点
定着とは、鉄筋がコンクリート内から抜け出さないよう十分な長さ(定着長さ)を確保して埋め込む処理のことで、鉄筋と部材の一体性を確保する。
定着長さは鉄筋の呼び径(d)の倍数(L2・L3など)で規定され、コンクリート強度・鉄筋種別・端部条件によって値が決まる。
この記事では、鉄筋の定着とは何か、L2の意味とアンカーボルトとどう違うのかを整理します。
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定着とは、鉄筋がコンクリート内から抜け出さないよう埋め込むことです。鉄筋の定着長さ(定着に必要な長さ)は規準があります。
今回は定着の意味、鉄筋、L2、建築、アンカーボルトとの関係について説明します。定着長さの意味は、下記も参考になります。
定着とは、鉄筋がコンクリート内から抜け出さないよう埋め込むことです。定着の方法には、
直線定着
フック付き定着
があります。直線定着、フック付き定着を下図に示します。
フックを付ける分、鉄筋は抜け出しにくいので、定着長さは短くて済みます。フックと定着の関係は、下記が参考になります。
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鉄筋の定着長さを下図に示します。
定着長さは、コンクリートの設計基準強度や鉄筋径、鉄筋の材質で決定します。設計基準強度の意味は、下記が参考になります。
設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味
設計基準強度が大きいほど、定着長さは短いです。材質が高強度になるほど、定着長さは長くなります。定着長さは、
40d(dは鉄筋径)
と表します。よって、鉄筋径が大きいほど、定着長さも長くなります。その他、定着長さには細かな規定があります。例えば、柱に対する梁鉄筋の定着長さは、
柱幅(柱せい)の0.75倍以上とする
などです。その他の規定は、鉄筋コンクリート造構造計算規準をご確認ください(下記リンク)。
定着長さ L2 の早見表です(カッコ内はフック付き定着 L2h、d は鉄筋の呼び径)。設計基準強度と鉄筋の種類で値が決まります。
| 設計基準強度 (N/mm²) | SD295A・B | SD345 | SD390 | SD490 |
|---|---|---|---|---|
| 18 | 40d(30d) | 40d(30d) | − | − |
| 21 | 35d(25d) | 35d(25d) | 40d(30d) | − |
| 24〜27 | 30d(20d) | 35d(25d) | 40d(30d) | 40d(35d) |
| 30〜36 | 30d(20d) | 30d(20d) | 35d(25d) | 40d(30d) |
| 39〜45 | 25d(15d) | 30d(20d) | 35d(25d) | 40d(30d) |
| 48〜60 | 25d(15d) | 25d(15d) | 30d(20d) | 35d(25d) |
下端筋(L3/L3h)の定着長さは、小ばりで 20d(10d)、スラブで 10d かつ 150mm 以上です。表中の「−」は、その設計基準強度では一般に用いない組み合わせを示します。
鉄筋コンクリート造の建築物では、定着の性能が重要です。力に耐える鉄筋を配置しても、定着ができていなければ、全く意味が無いからです。
L2とは、下図に示す長さです。
直線定着とフック付き定着で、L2の考え方が違う点に注意しましょう。
記号で表すと、直線定着はL2、フック付き定着はL2hです。フック付きの場合、定着長さにフックの折り曲げ部分は含めません。この起点の取り方が、施工でも一級建築士の学科でも間違えやすいところです。
アンカーボルトの定着も、鉄筋の定着と目的は似ています。地震などで、アンカーボルトがコンクリートから抜け出さないよう、必要な長さ埋め込みます。
アンカーボルトの定着長さを下図に示します。
詳細は、鋼構造接合部指針などをご確認ください。
※アンカーボルトは下記が参考になります。
アンカーボルトとは?規格(SS400等)・サイズ・種類・埋め込み深さの計算
定着を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 直線定着 | 鉄筋をまっすぐ埋め込む方法 | フックなしのため定着長さが長くなる |
| フック付き定着 | 先端を折り曲げて埋め込む方法 | 短い定着長さで同等の効果が得られる |
| 定着長さの決定要因 | 設計基準強度・鉄筋径・材質 | 一般に40d(dは鉄筋径)で表す |
定着とよく混同される言葉に「付着」と「重ね継手」があります。付着は鉄筋とコンクリートが面で一体になろうとする力そのもの、重ね継手は鉄筋どうしを繋ぐこと、定着は鉄筋の端部を相手の部材に効かせることを指します。役割が違うので、整理して覚えておくと配筋の理解が早いです。下記リンクも合わせて読むと違いがはっきりします。
今回は定着について説明しました。定着は、鉄筋がコンクリート内から抜け出さないよう埋め込むことです。定着長さの規定は複雑です。
鉄筋の材質、鉄筋径、設計基準強度との関係を理解しましょう。定着と似た用語に、付着があります。下記も勉強しましょうね。
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