建築学生が学ぶ構造力学

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PC鋼材とは?PC鋼線・PC鋼棒の違いとプレストレス導入方法

この記事の要点

プレストレストコンクリートの設計で「PC鋼材の種類は何を使えばいいのか」と迷う場面があります。

PC鋼線・PC鋼棒はそれぞれ引張強度と施工性が異なるため、用途に応じた選定が必要です。

この記事では、PC鋼材の種類・規格と、プレストレスの導入方法を解説します。

試験対策では「PC鋼材は普通鋼より引張強度が高い」「緊張してコンクリートに圧縮力を与える」という基本を押さえましょう。

プレテンション方式とポストテンション方式の違いも問われます。

この記事では、PC鋼材とは何か、PC鋼棒とどう違うのか、PC鋼線との関係はどうなっているのかを整理します。

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PC鋼材とは、プレストレストコンクリート(PC構造)に用いられる高強度の鋼材です。

PC鋼材をあらかじめ引張(緊張)することで、コンクリートに圧縮力(プレストレス)を与えます。

コンクリートは引張に弱いですが、あらかじめ圧縮力を与えておくことで、荷重がかかっても引張応力が生じにくくなります。

今回は、PC鋼材の種類、プレストレスを導入する仕組み、普通の鉄筋との違いについて説明します。


コンクリート材料全般については、下記が参考になります。

繊維補強コンクリートとは?1分でわかる意味、SFRC、鋼繊維、靭性向上の仕組み

鉄筋コンクリート造の基礎

PC鋼材の種類

PC鋼材は形状・製法によって以下の3種類に分けられます。


種類特徴主な用途
PC鋼線(単線)冷間引き抜きした細い鋼線プレテンション方式の小・中断面部材
PC鋼より線複数のPC鋼線を撚り合わせたものポストテンション方式の梁・スラブ
PC鋼棒合金鋼の棒状材。ネジ切り可能ポストテンション方式の梁・柱

いずれも普通の鉄筋(SD295・SD345など)より引張強度が著しく高い点が特徴です。試験対策では「PC鋼材は高強度」という点を押さえましょう。

プレストレスの導入方法:プレテンションとポストテンション

プレストレスをコンクリートに導入する方法は主に2種類あります。



プレテンションは工場製品(PC板・PC柱など)に多く使われます。ポストテンションは現場施工の大梁・スラブで多く使われます。この2種類の違いはよく試験で問われます。

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PC鋼材と普通鉄筋の違い

PC鋼材と普通鉄筋(異形鉄筋)の主な違いをまとめます。


比較項目PC鋼材普通鉄筋(SD)
引張強度非常に高い(1,000〜1,800 N/mm2程度、種類による)295〜785 N/mm2程度(種類による)
使い方緊張してプレストレスを導入するコンクリートと一体化して引張力を負担する
形状線・より線・棒異形棒鋼(ふしあり)が主流

試験対策では「PC鋼材はSD材より引張強度が高い」という点を押さえましょう。強度の具体的な数値は種類・規格によって変わるため、大小関係の方向性を理解することが重要です。

混同しやすい用語

プレテンション と ポストテンション
プレテンションは、コンクリート打設前にPC鋼材を緊張(プレ=前)する方式です。

硬化後に緊張を解放し付着でプレストレスを伝えます。

工場製PCa製品に多い。


ポストテンションは、コンクリート硬化後にPC鋼材を緊張(ポスト=後)する方式です。

シース管を通じてPC鋼材を定着具で固定します。

現場打ちの大スパン梁・スラブに多い。


「プレ=先に緊張、ポスト=後から緊張」として整理しましょう。

PC鋼材 と 鉄筋(SD材)
PC鋼材は、緊張してコンクリートにプレストレス(圧縮力)を導入するための高強度鋼材です。


鉄筋(SD材)は、コンクリートに配置して引張力を分担させる補強材です。


両者は用途と引張強度が異なります。

PC鋼材は鉄筋の代わりに使うものではありません。

まとめ

今回はPC鋼材について説明しました。PC鋼材はプレストレストコンクリートに使う高強度の鋼材で、PC鋼線・PC鋼より線・PC鋼棒の3種類があります。


緊張してコンクリートに圧縮力(プレストレス)を与えること、プレテンション(打設前に緊張)とポストテンション(打設後に緊張)の違いを合わせて確認しておきましょう。

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理解度チェック

Q.

PC鋼材とは何ですか?

答えを見る

プレストレストコンクリート(PC構造)に用いられる高強度の鋼材です。あらかじめ引張(緊張)してコンクリートに圧縮力(プレストレス)を与え、普通鉄筋より引張強度が著しく高いのが特徴です。

Q.

PC鋼材の3種類は?

答えを見る

PC鋼線(冷間引き抜きした細い鋼線)、PC鋼より線(複数のPC鋼線を撚り合わせたもの)、PC鋼棒(合金鋼の棒状材でネジ切り可能)です。

Q.

プレテンションとポストテンションの違いは?

答えを見る

プレテンションは打設前にPC鋼材を緊張し硬化後に解放する方式(工場製PCa製品)、ポストテンションは硬化後にシース管を通してPC鋼材を緊張・定着する方式(現場打ちの大スパン梁・スラブ)です。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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