この記事の要点
繊維補強コンクリート(Fiber Reinforced Concrete)とは、短い繊維をコンクリートに混入して靭性やひび割れ抵抗性を高めた材料です。鋼繊維を混入したものをSFRC(Steel Fiber Reinforced Concrete)と呼びます。
普通コンクリートは引張に弱く、ひび割れが生じると急激に破壊が進みやすいですが、繊維補強コンクリートは繊維がひび割れをまたぐことで破壊を抑制します。試験対策では「靭性向上・ひび割れ抑制」が主な特徴として問われます。
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繊維補強コンクリート(Fiber Reinforced Concrete)とは、短い繊維をコンクリートに混入して靭性とひび割れ抵抗性を高めた材料です。
繊維の種類によって鋼繊維補強コンクリート(SFRC)・ポリプロピレン繊維補強コンクリート(PFRC)などに分けられます。今回は、繊維補強コンクリートの意味、靭性向上の仕組み、普通コンクリートとの違いについて説明します。
コンクリート全般については、下記が参考になります。
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混入する繊維の種類によって、以下のように分類されます。
| 種類 | 略称 | 繊維の特徴 |
|---|---|---|
| 鋼繊維補強コンクリート | SFRC | 短い鋼製の繊維。靭性・せん断耐力の向上に効果が高い |
| ポリプロピレン繊維補強コンクリート | PFRC | プラスチック系繊維。軽量でさびない。乾燥収縮ひび割れ抑制に有効 |
| ガラス繊維補強コンクリート | GRC | 外装パネルなどに使われる。アルカリ対策が必要 |
建築士試験でよく出るのはSFRCです。鋼繊維を混入してひび割れ後の荷重保持能力(靭性)を高める点が特徴です。
普通コンクリートはひび割れが生じると、ひび割れ面での引張抵抗がほぼゼロになり急激に破壊が進みます。これに対して繊維補強コンクリートでは、混入した繊維がひび割れをまたいで引張力を受け持つことで、ひび割れ後も荷重を保持する能力(靭性)が高まります。
ここは少し紛らわしいですが、整理すると簡単です。繊維の役割はひび割れを「防ぐ」のではなく、ひび割れが生じた後の「破壊の進行を遅らせる」ことです。
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繊維補強コンクリートは、以下のような用途に使われます。
建築士試験では「SFRCは靭性を高める」「繊維補強コンクリートはひび割れ後の破壊進行を抑制する」という点が問われやすいです。
混同しやすい用語
繊維補強コンクリート と 鉄筋コンクリート
繊維補強コンクリートは、短い繊維をコンクリートに分散混入して靭性を高めた材料です。繊維は長い棒状の連続した補強材ではなく、マトリックス中にランダムに分散します。
鉄筋コンクリートは、鉄筋(連続した棒)をコンクリートに配置して引張力・せん断力を負担させる構造形式です。
SFRCは鉄筋の代わりにはなりません。用途・目的が異なります。
SFRC と GRC
SFRC(鋼繊維補強コンクリート)は鋼繊維を使い、主に靭性・せん断耐力向上が目的です。
GRC(ガラス繊維補強コンクリート)はガラス繊維を使い、外装パネルなどの薄肉軽量製品に使われます。アルカリ環境でガラス繊維が劣化するため、耐アルカリ性ガラス繊維を使用します。
「SFRC=靭性・構造用途、GRC=外装・意匠用途」として整理しましょう。
今回は繊維補強コンクリート(SFRC)について説明しました。繊維補強コンクリートは短い繊維をコンクリートに分散混入して靭性とひび割れ抵抗性を高めた材料です。
繊維の役割はひび割れを完全に防ぐのではなく、ひび割れ後の破壊進行を抑制することです。SFRC(鋼繊維)・GRC(ガラス繊維)の違いと用途もあわせて押さえておきましょう。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「繊維補強コンクリートは普通コンクリートに比べて靭性が高い」「鋼繊維を混入することでひび割れ後の破壊進行を抑制できる」という形でよく出ます。「ひび割れを防ぐ」ではなく「ひび割れ後の性能を保つ」という点に注意してください。
SFRC(鋼繊維)・PFRC(ポリプロピレン繊維)・GRC(ガラス繊維)の3種類の使い分けと特徴も整理しておきましょう。特に「GRC=外装パネル」「SFRC=靭性向上・耐衝撃」という用途の違いが問われることがあります。