建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 構造 No.9を解説、木造軸組工法に関する誤りを見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.9は、木造軸組工法による地上2階建ての建築物に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

風圧力の必要壁量、圧縮も負担する筋かいの寸法、筋かいの壁倍率、筋かいと間柱の交差部の納まりが問われます。決め手は、9cm角の木材の筋かいをたすき掛けにしたときの壁倍率の値です。

引っかけの核心は、9cm角の木材の筋かいを片側で壁倍率3とし、たすき掛けにした軸組の壁倍率を「6とした」としているところです。壁倍率には上限があり、9cm角のたすき掛けは5.0とされています。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 必要壁量が風圧力で決定されたので、張り間・桁行の壁量をそれぞれの方向の必要壁量以上とするのは妥当です。正しい記述です。
2 ○(正しい) 圧縮力と引張力の両方を負担する筋かいに、厚さ3cm・幅9cmの木材を用いるのは妥当です。正しい記述です。
3 ×(最も不適当) 9cm角の木材の筋かいをたすき掛けにした軸組の壁倍率は5.0です。6とする点が誤りです(壁倍率は5.0が上限)。
4 ○(正しい) 筋かいと間柱が交差する部分は、間柱の断面を欠き取り、筋かいは欠込みをせずに通すのが妥当です。正しい記述です。

選択肢3は、9cm角筋かいのたすき掛けの壁倍率を6とした点が誤りで、正しくは5.0です。

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選択肢3のポイント

筋かいの壁倍率は、施行令第46条の表で定められています。9cm角(9cm×9cm)の木材の筋かいは、片側に入れた場合の壁倍率が3.0です。たすき掛け(両方向に入れる)にすると、単純には2倍の6.0になりそうですが、表ではたすき掛けの値を5.0としています。

これは、壁倍率には上限5.0があるためです。筋かいを組み合わせたり面材と併用したりしても、一つの軸組の壁倍率として使えるのは5.0までで、それを超える値は5.0として扱います。9cm角のたすき掛けは、単純計算の6.0ではなく5.0で評価します。

選択肢3は、たすき掛けの壁倍率を6としていますが、上限5.0を超えており誤りです。「壁倍率は上限5.0、9cm角のたすき掛けは5.0」と押さえます。

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覚え方

  • 9cm角の筋かいの壁倍率は片側3.0・たすき掛け5.0(壁倍率の上限は5.0)
  • 圧縮も負担する筋かいは厚さ3cm以上・幅9cm以上
  • 風圧力の必要壁量は、張り間・桁行それぞれの方向で満たす
  • 筋かいと間柱の交差部は、間柱を欠き取り筋かいは通す

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理解度チェック

Q.

9cm角の木材の筋かいをたすき掛けにした軸組の壁倍率は6である。〇か×か。

×。壁倍率の上限は5.0で、9cm角のたすき掛けは5.0です。

Q.

筋かいと間柱が交差する部分は、どう納めるか。

間柱の断面を欠き取り、筋かいは欠込みをせずに通します。筋かいを欠き込むと耐力が下がります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 木造軸組工法(筋かいの壁倍率は9cm角で片側3.0・たすき掛け5.0、上限5.0、圧縮筋かいの寸法、風の必要壁量、筋かいと間柱の交差):建築基準法施行令第46条第4項・第45条。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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