建築学生が学ぶ構造力学

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令和2年度 二級建築士 施工 No.13を解説、鉄骨工事の溶接に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)No.13は、鉄骨工事における溶接に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

ミルスケールの処理、隅肉溶接の溶接長さ、完全溶込み溶接の余盛り、補修の溶接棒、溶接姿勢が問われます。判断の決め手は、隅肉溶接の溶接長さに足す長さが、サイズの何倍かです。

引っかけの核心は、有効溶接長さに加える長さを「隅肉サイズの1/2倍」としているところにあります。実際にはもっと長く取ります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが誤っている記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 溶接作業に支障のない、固着したミルスケールは除去せずそのまま残して差し支えありません。
2 ×(誤り) 隅肉溶接の溶接長さは、有効溶接長さに隅肉サイズの2倍を加えたものとします。1/2倍は誤りです。
3 ○(正しい) 板厚22mmの突合せ継手の完全溶込み溶接で、余盛りの高さを2mmとするのは適切です。
4 ○(正しい) 不合格溶接部の手溶接による補修を、径4mmの溶接棒で行うのは適切です。
5 ○(正しい) 溶接作業は治具を使用し、できるだけ下向きの姿勢で行うのが適切です。

選択肢2は、有効溶接長さに加える長さを隅肉サイズの1/2倍とした点が誤りで、正しくは隅肉サイズの2倍を加えます。

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選択肢2のポイント

隅肉溶接は、溶接の始まりと終わりに「クレーター」という弱い部分ができます。この両端は力を伝える計算には入れないので、溶接の全長から両端を差し引いた残りを「有効溶接長さ」と呼びます。

両端で差し引く長さは、片側につき隅肉サイズ(S)1つ分です。両端で合わせてサイズの2倍になります。逆にいうと、必要な有効溶接長さを確保するには、実際の溶接長さ=有効溶接長さ+隅肉サイズの2倍とします。

選択肢2は「隅肉サイズの1/2倍を加えた」としていますが、これでは両端のクレーター分が足りません。2倍が正しい数値です。1/2倍と2倍は紛らわしいので、両端で2S分を足すと覚えます。

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覚え方

  • 隅肉溶接の溶接長さ=有効溶接長さ+隅肉サイズの2倍(両端のクレーター分2S)
  • 溶接に支障のない固着したミルスケールは除去不要/溶接はできるだけ下向き姿勢で
  • 完全溶込み溶接の余盛りは過大にしない(板厚22mm程度で2mmは適切)

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理解度チェック

Q.

隅肉溶接の溶接長さは、有効溶接長さに隅肉サイズの1/2倍を加えたものとする。〇か×か。

×。隅肉サイズの2倍を加えます。両端のクレーター分(片側1S、両端で2S)を見込みます。

Q.

溶接作業に支障のない、固着したミルスケールは除去せずに残してよい。〇か×か。

。溶接に支障のない固着したミルスケールは、除去せずそのまま残して差し支えありません。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(建築施工)問題」
  • 隅肉溶接の溶接長さ(有効溶接長さ+隅肉サイズの2倍)・余盛り・ミルスケールの処理・溶接姿勢:JASS6(鉄骨工事)
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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