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剛性率とは何でしょうか。剛性率は、建物のバランスを表す用語です。よって私たち構造設計者は、剛性率の大きさで、建物のバランスを判断することができます。では、剛性率はどのような意味でしょうか。今回は剛性率について説明します。
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前述したように、剛性率は建物のバランスを表す用語です。では、どのバランスを表すのか。剛性率は、
です。下図をみてください。5階建ての建物があります。地震が起きると揺れますが、均一に揺れるとは限りません。階毎に剛性(固さ)が異なるからです(つまり平屋建てなら剛性率は関係ありません。1階しかないからです)。
剛性率のイメージを付けて頂くために、もう2つほど例を示しましょう。下図をみてください。1階に耐震壁があります。耐震壁はラーメン構造と比べると、圧倒的に固く(剛性が高い)変形が小さい部材ですよね。その他はラーメン構造です。この建物が地震で揺れると何が起きるでしょうか。
上図の建物に地震が起きると、1階は変形しませんが他階が普通よりも大きく変形します。これを鞭振り現象とも言います。鞭は先端が柔らかいほど、速く振れます。例にした建物は、階の固さを相対的に見た時、1階に比べて他階がとても柔らかくなっていますね。そのため、鞭のように上階は良く揺れるのです。
もう1つ例を示します。これは、2階以外が耐震壁で、2階はラーメン構造の場合です。地震時、この建物に何が起きるでしょうか。
上図の場合、地震が起きると2階の変形が大きくなります。2階以外は、耐震壁のため揺れは小さいですよね。柔らかい2階に変形が集中すると、当然、作用する応力も大きくなるので、被害が大きくなります。
以上のように、いくら耐震壁を設けていても階毎に固さが違えば、揺れも異なります。さらに柔らかい層は、変形が集中します。よって、階毎の固さはなるべく均等であるべきです。剛性率とは、前述している「階毎の固さ」を表した値です。例えば、2番目の例図でいえば、
といった数値で表します。実際の剛性率は、1以上の値になることもありますし、0.5よりも小さいこともあります(もちろん0.5という値は前述した理由より許されません)。
ただ上記をみれば、なんとなく2階が柔らかそうだなと理解して頂けると思います。
前述したように、剛性率は階毎で均一な値になることが望ましいです。もちろん、全て同じ値は難しいので、建築基準法では下記の基準が設けられています。
0.6という数値は、これまでの地震被害から得られた知見、研究結果により定められました。各階で、剛性率0.6を満足していれば、「とりあえずバランスの良い建物」と建築基準法では判断しています。
また、剛性率が0.6を下回ったとしても、下回ったことによる割増係数を考慮した必要保有水平耐力を、建物の耐力(保有水平耐力)が満足していればOKです。必要保有水平耐力と保有水平耐力を知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
必要保有水平耐力の算定方法と意味がわかる、たった3つのポイント
今回は、剛性率について説明しました。剛性率の意味を覚えるようにしてください。また、剛性率と耐震性の関係を理解しましょう。
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