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等分布荷重とは?集中荷重との違いや使い方について

等分布荷重と集中荷重の違いはなんでしょうか?皆さんが構造力学で勉強してきた等分布荷重は実際の世界でどんな意味があるのでしょう?

 

構造計算の実務では誰かが、『この部材は等分布荷重で計算しなさい』と決めてくれるわけではありません。自分で『荷重のモデル化』を行い適切な計算をするのです。


実は、構造力学の勉強では『荷重のモデル化』がごっそり抜け落ちています。そこで今回は、改めて等分布荷重とは何か?モデル化の方法や使い方、集中荷重との違いについて説明しましょう。荷重の意味は、下記が参考になります。

荷重とは?1分でわかる意味、読み方、種類、応力との違い

等分布荷重ってどんな荷重だっけ?

等分布荷重は、図で示すとこんな荷重のことです。梁に対して、矢印が沢山ついていますよね?これは『単位長さ当たり力』という意味で使っています。

物体には幅や長さがあります。幅や長さが小さい物なら重量は集中荷重として作用しそうですが、果たして長さが長い物の重量は集中荷重として作用するでしょうか?

この矛盾を補うためには、集中荷重ではない別の荷重を考える必要があります。つまり、重量(kN)÷長さ(m)=等分布荷重と考えることができます。このため、等分布荷重の単位は[kN/m]です。


この考え方は『物質の重さは均等に作用する』という考え方に基づいていると思います。物体の重量が不均一にばらついているのなら(部分的に重かったり軽かったり)、『等分布』とは言えないからです。『思います』、と書いたのは物質の重量の均一性に関する問題は、古典物理学の範疇から逸脱し、何やら量子力学の分野になりそうだからです。


まあともかく、構造力学の分野では『物体の重量÷物体の長さ』で等分布荷重とすることが許されています。

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等分布荷重のモデル化の例

等分布荷重のモデル化の例を紹介しましょう。例えば、先に述べたように部材に作用する物体が部材の大きさと同じくらいの時、集中荷重よりも等分布荷重で考える方が適切です。

自重の例

自重も等分布荷重の代表例です。重力は物質に均等に作用しています。先ほど書いたように物体の重量は集中荷重というよりは、等分布荷重として考えた方が適切です。例えば、梁の自重を考えた時、梁の自重は重心位置に集中的に作用して、重心以外は重量が無いわけではなく、均等的に重量は分布しているのです。

自重の意味は、下記が参考になります。

自重とは?1分でわかる意味、建築物、梁、コンクリートでの計算、読み方

床荷重の例

建築物には必ず床があります。床荷重の例として、固定荷重と積載荷重があります。詳細な意味は、下記が参考になります。

積載荷重ってなに?1分でわかる意味と実際の構造計算

固定荷重ってなに?1分でわかる意味と種類


床重量は平米当たりの荷重(kN/u)で表すことが普通です。ある部材を検討するとき、


  • 床荷重×負担幅=等分布荷重

として算定しています。

RC床の伝わり方によっては、等分布荷重にならない場合もあります。皆さん、まだ勉強していないかもですが、RC床の荷重は亀の甲に切ったように荷重は分布します。

つまり、梁に伝わる分布荷重が等分布ではなく、三角形分布や台形分布になるのです。代表的な三角形分布の荷重が「土圧」です。土圧は、下記が参考になりますよ。

土圧ってなに?良く分かる土圧の算定方法や土圧の種類


以上のように、等分布荷重1つとってみてもモデル化の考え方が中々深いことに気が付いたと思います。構造設計では、前述した荷重のモデル化や、荷重の設定を行います。設定された荷重を「仮定荷重」といいます。仮定荷重は、下記を参考にしてください。

仮定荷重の決め方


では最後に、等分布荷重と集中荷重の違いについて説明しましょう。

等分布荷重と集中荷重の違い

そもそも、集中荷重とは人間が勝手に創りだした仮想の外力です(僕はそう思っています)。なぜなら、先ほど説明した通り、物質の重さというのは、けっして重心位置に集中的に作用するのではなく、分布的に作用しているからです。


ただ、部材に作用する物体の大きさが小さくてマクロ的に考えるなら、集中荷重として置き換えることが可能です。例を紹介しましょう。削った鉛筆の先をノートに押し付けてください。この時、腕から鉛筆の先に力が作用しています。鉛筆の先は尖っていて、明らかに集中荷重が作用しています。


しかし、これはマクロ的にノートと鉛筆の関係を見たときです。鉛筆の先をスコープでどんどん拡大していけば、鉛筆の芯の先も全然尖っていなくて、荷重も分布的に作用しているでしょう。


とはいえ、建築物というとても大きな物体に対してミクロな事象を考える必要はありません。あくまでザックリと、『この重量物は梁に対して集中的だなあ』と思えば集中荷重として考慮すれば良いのです。これが『設計者判断』と呼ばれるもので、部材に対して安全側且つ経済的な判断が出来ればよいのです。

構造力学での使い方の違い

さて、構造力学での使い方はどうか?これが皆さん知りたいところですよね。下記を見てください。


  • 集中荷重 P kN
  • 等分布荷重 w kN/m

集中荷重と分布荷重の大きな違いは、力の伝わり方だと言えます。荷重の単位は下記が参考になります。

荷重の単位とは?1分でわかる意味、種類、換算、ニュートン、nとの関係


単純梁に作用する曲げモーメントを確認するとこうなります。


  • 集中荷重 PL/4 kNm
  • 等分布荷重 wL2/8 kNm

Lの長さは両者共に同じで、wL=Pも同じであると考えるなら、なんと曲げモーメントの値は集中荷重の方が2倍も大きくなります。等分布荷重で50kNmが集中荷重で100kNmです。荷重の設定には注意しないといけない、と思える一例ですね。

まとめ

今回は、等分布荷重の説明と集中荷重との違いについて説明しました。等分布荷重と集中荷重の意味など、基本的ですが参考書に書いていない話です。是非勉強しましょう。下記も参考になります。

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