建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 構造 No.23を解説、合成構造・混合構造に関する誤りを見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.23は、合成構造及び混合構造に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

合成梁の有効幅、デッキ合成スラブの面内せん断、CFT柱の性能、コア壁+鉄骨骨組の架構形式が問われます。決め手は、CFT柱の耐火性能が同一断面の鋼管柱と比べてどうかです。

引っかけの核心は、CFT柱について「水平力に対する塑性変形性能は高いが耐火性能は同等である」としているところです。CFT柱は中詰めコンクリートにより、耐火性能も鋼管柱より高くなります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 合成梁の曲げ剛性の算定に用いる床スラブの有効幅は、RC梁の曲げ剛性算定に用いる有効幅と同じとしてよいです。正しい記述です。
2 ○(正しい) デッキ合成スラブは、鋼製デッキプレートとコンクリートが一体となり、面内せん断力の伝達も期待できます。正しい記述です。
3 ×(最も不適当) CFT柱は、中詰めコンクリートにより、鋼管構造の柱に比べて塑性変形性能だけでなく耐火性能も高くなります。耐火性能は同等、とする点が誤りです。
4 ○(正しい) RCのコア壁を耐震要素とし外周部を鉄骨骨組とした架構形式は、大スパン化による空間の有効利用に適しています。正しい記述です。

選択肢3は、CFT柱の耐火性能は同等とした点が誤りで、中詰めコンクリートにより耐火性能も鋼管柱より高くなります。

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選択肢3のポイント

CFT(コンクリート充填鋼管)構造の柱は、鋼管の中にコンクリートを詰めたものです。鋼管とコンクリートが互いを拘束し合うことで、水平力に対する塑性変形性能が鋼管だけの場合より高くなります。

耐火の面でも、火災時に鋼管が高温で軟化しても、内部に詰まったコンクリートが熱を吸収し、荷重を負担し続けます。そのため、CFT柱は同一断面・同一板厚の鋼管柱に比べて耐火性能も高くなります。塑性変形性能と耐火性能の両方で有利なのがCFTの特徴です。

選択肢3は、耐火性能は同等としていますが、実際はCFTのほうが高いので誤りです。「CFTは塑性変形性能も耐火性能も鋼管柱より高い」と押さえます。

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覚え方

  • CFT柱は、鋼管柱に比べて塑性変形性能も耐火性能も高い(中詰めコンクリートが熱を吸収)
  • 合成梁の有効幅は、RC梁の曲げ剛性算定の有効幅と同じとしてよい
  • デッキ合成スラブは、面内せん断力の伝達も期待できる
  • RCコア壁+外周鉄骨骨組は、大スパン化に適する

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理解度チェック

Q.

CFT柱は、同一断面・同一板厚の鋼管柱に比べて塑性変形性能は高いが、耐火性能は同等である。〇か×か。

×。中詰めコンクリートが熱を吸収するため、耐火性能も鋼管柱より高くなります。

Q.

デッキ合成スラブに期待できる力の伝達は何か。

面内せん断力の伝達です。鋼製デッキプレートとコンクリートが一体となって働きます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 合成構造・混合構造(CFT柱は塑性変形性能・耐火性能とも鋼管柱より高い、合成梁の有効幅、デッキ合成スラブ、コア壁+鉄骨骨組):各種合成構造設計指針(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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