建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 施工 No.12を解説、プレキャスト部材の脱型・立て起こしの強度を見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)No.12は、プレキャスト鉄筋コンクリート(PCa)工事に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

PCa工事では、製作時の養生、脱型、溶接継手、接合面の処理が問われます。とくに部材を立て起こして脱型するときに必要なコンクリート強度が要点です。

核心は脱型時の強度です。ベッドを70〜80度に立て起こして脱型する場合、コンクリートの圧縮強度は8〜10N/mm²以上が必要です。水平のまま脱型する場合は12N/mm²です。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

一級建築士 施工の参考書

施工の対策に一冊

PCaは、脱型時の所要強度(立て起こし8〜10・水平12N/mm²)や養生・接合で差がつきます。JASS10に沿った参考書で整理すると得点源になります。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) プレキャスト部材の蒸気養生で、温度の上昇勾配を15℃/h程度とし、前養生の時間を確保するのは妥当です。適当な記述です。
2 ×(最も不適当) ベッドを70〜80度に立て起こして脱型する場合、圧縮強度は8〜10N/mm²以上が必要です。5N/mm²とした点が不適当です。
3 ○(適当) エンクローズ溶接による継手で、同一接合部の溶接作業を中断せず連続して行うのは妥当です。適当な記述です。
4 ○(適当) プレキャスト部材と現場打ちコンクリートとの接合面を、散水して湿潤状態にしてから打ち込むのは妥当です。適当な記述です。

選択肢2は、立て起こし脱型に必要な圧縮強度を5N/mm²とした点が誤りで、70〜80度の立て起こしでは8〜10N/mm²以上が必要です。

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選択肢2のポイント(ここが誤り)

プレキャスト部材を製作ベッドから外す(脱型する)とき、部材には自重による曲げやせん断が生じます。ベッドを立て起こして外す場合、まだ寝た状態から起こす過程で部材に力がかかるため、ある程度の強度が要ります。

脱型時の所要圧縮強度は、外し方で変わります。ベッドを70〜80度に立て起こして外す場合は8〜10N/mm²以上、水平のまま吊り上げて外す場合は12N/mm²が目安です。

選択肢2は、立て起こし脱型で5N/mm²としています。8〜10N/mm²に足りないので、最も不適当です。

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覚え方

  • プレキャストの脱型時所要強度=立て起こし(70〜80度)で8〜10N/mm²、水平脱型で12N/mm²
  • 脱型時の強度確認=部材と同一のコンクリート・同一養生の供試体で
  • 蒸気養生の温度上昇勾配=15℃/h程度(急激な昇温を避ける)
  • プレキャストと現場打ちの接合面=散水して湿潤状態にしてから打込み

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理解度チェック

Q.

ベッドを70〜80度に立て起こしてプレキャスト部材を脱型するには、圧縮強度はどれだけ必要?

8〜10N/mm²以上です。水平のまま脱型する場合は12N/mm²が目安です。

Q.

プレキャスト部材と現場打ちコンクリートの接合面は、打込み前にどう処理する?

散水して湿潤状態にしてから打ち込みます。乾いた面は新旧コンクリートの一体化を妨げます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築工事標準仕様書JASS10(プレキャスト鉄筋コンクリート工事=脱型時の所要強度・蒸気養生・接合)
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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