建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 施工 No.13を解説、高力ボルト接合の肌すき処理を見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)No.13は、鉄骨工事に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

鉄骨工事では、溶接の予熱、板厚の段違い処理、高力ボルトの肌すき、トルシア形ボルトの検査が問われます。とくに接合部の肌すきをいくつから処理するかが要点です。

核心は肌すきの処理です。高力ボルト接合の肌すきは、1mm以下なら処理不要、1mmを超える場合はフィラープレートを挿入します。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

一級建築士 施工の参考書

施工の対策に一冊

鉄骨は、肌すきの処理(1mm超でフィラー)やボルトの検査値など、数値で差がつきます。JASS6に沿った参考書で整理すると得点源になります。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(適当) 気温0℃の低温時に、溶接線の両側約100mmを加熱(予熱)してから溶接するのは妥当です。適当な記述です。
2 ○(適当) 板厚の異なる突合せ継手で、段違いが薄いほうの板厚の1/4以下かつ10mm以下のとき、滑らかに溶接で仕上げるのは妥当です。適当な記述です。
3 ×(最も不適当) 高力ボルト接合の肌すきは、1mmを超える場合にフィラープレートを挿入します。肌すき2mmで挿入しないとした点が不適当です(1mm以下なら処理不要)。
4 ○(適当) トルシア形高力ボルトの本締め後の検査で、ナットの平均回転角度を基準として±30度の範囲を合格とするのは妥当です。適当な記述です。

選択肢3は、肌すき2mmでフィラープレートを挿入しないとした点が誤りで、1mmを超える肌すきには挿入します。

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選択肢3のポイント(ここが誤り)

高力ボルト接合では、接合する板どうしのすき間(肌すき)があると、ボルトを締めても摩擦力が安定して伝わりません。そこで、肌すきの大きさで処理を分けます。

肌すきが1mm以下なら処理は不要です。1mmを超える場合は、フィラープレート(厚みを埋める板)を挿入します。フィラープレートは、母材の材質によらず400N/mm²級鋼材でよく、両面とも摩擦面の処理をします。

選択肢3は、肌すき2mm(1mm超)なのにフィラープレートを挿入しないとしています。処理が必要な範囲なので、最も不適当です。

施工を得点源にするなら、一級のおすすめ参考書・問題集もあわせてどうぞ。独学での進め方は建築士は独学で合格できる?で整理しています。

覚え方

  • 高力ボルトの肌すき=1mm以下は処理不要、1mmを超えるとフィラープレートを挿入
  • フィラープレート=母材によらず400N/mm²級でよく、両面を摩擦面処理
  • 低温時の溶接=溶接線の両側約100mmを予熱
  • 板厚の段違い=薄い板厚の1/4以下かつ10mm以下なら滑らかに溶接でなじませる

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理解度チェック

Q.

高力ボルト接合で、フィラープレートを挿入するのは肌すきが何mmを超えるとき?

1mmを超えるときです。1mm以下なら処理は不要です。

Q.

トルシア形高力ボルトの本締め後の検査では、何を確認する?

ピンテールの破断と、ナットの回転量(平均回転角度±30度の範囲)などを確認します。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • 建築工事標準仕様書JASS6(鉄骨工事=高力ボルトの肌すき・フィラープレート/溶接の予熱/トルシア形ボルトの検査)
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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