建築学生が学ぶ構造力学

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令和2年度 一級建築士 施工 No.11を解説、コンクリート工事に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)No.11は、コンクリート工事に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

高炉セメントB種構造体強度補正値高強度コンクリートの自己収縮抑制、マスコンクリートの表面ひび割れ対策、コンクリートの自由落下が問われます。判断の決め手は、高炉セメントB種を低い気温で使うときの構造体強度補正値です。

引っかけの核心は、高炉セメントB種で予想平均気温が8〜10℃のときに、構造体強度補正値を3N/mm²としているところにあります。高炉セメントB種では、この気温で6N/mm²が必要です。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 高炉セメントB種は8〜10℃では構造体強度補正値6N/mm²が必要です。3N/mm²は不足で誤りです。
2 ○(正しい) 高強度コンクリートの自己収縮抑制には、単位セメント量をできるだけ小さくするのが有効です。
3 ○(正しい) マスコンクリートの表面ひび割れ低減には、表面を断熱養生マットで覆って保温します。
4 ○(正しい) 柱や壁への打込みは、コンクリートが分離しない範囲であれば自由落下で打ち込めます。

選択肢1は、高炉セメントB種の補正値を3N/mm²とした点が誤りで、8〜10℃では6N/mm²とします。

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選択肢1のポイント

構造体強度補正値は、標準養生した供試体の強度と、実際の構造体の中のコンクリート強度との差を埋めるための割増し値です。気温が低いほど、現場のコンクリートは強度が出にくいので、補正値は大きくなります。

ここで効いてくるのがセメントの種類です。高炉セメントB種は、普通ポルトランドセメントに比べて初期強度の発現が遅い性質があります。同じ低い気温でも、現場での強度の出にくさがより大きいということです。

このため、予想平均気温が8〜10℃のとき、普通ポルトランドセメントなら3N/mm²でよい場面でも、高炉セメントB種では6N/mm²の補正が必要です。選択肢1は3N/mm²としており、高炉B種の遅い強度発現を見込めていません。覚えるべきは高炉B種は初期強度が遅く、低温では普通ポルトランドより大きい補正値が要ることです。

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覚え方

  • 高炉セメントB種は初期強度が遅く、予想平均気温8〜10℃では構造体強度補正値6N/mm²(普通ポルトランドより大きい)
  • 高強度コンクリートの自己収縮抑制は、単位セメント量をできるだけ小さくする
  • マスコンクリートの表面ひび割れ低減は、表面を断熱(保温)して内外の温度差を小さくする

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理解度チェック

Q.

高炉セメントB種を使い、予想平均気温が8〜10℃のとき、構造体強度補正値を3N/mm²としてよい。〇か×か。

×。高炉セメントB種は初期強度の発現が遅いため、8〜10℃では6N/mm²が必要です。3N/mm²では不足します。

Q.

高強度コンクリートの自己収縮を抑制するために、単位セメント量をできるだけ小さくするのは有効である。〇か×か。

。自己収縮は単位セメント量(結合材量)が多いほど大きくなるため、所要の性能の範囲で単位セメント量を小さくするのは有効です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅴ(施工)問題」
  • コンクリート工事(高炉セメントB種は初期強度が遅く低温の構造体強度補正値が大きい、高強度コンクリートの自己収縮と単位セメント量、マスコンクリートの断熱養生、分離しない自由落下):JASS 5 鉄筋コンクリート工事
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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