この記事の要点
マスコンクリートとは、断面が大きく水和熱による温度上昇が著しいコンクリートで、JASS5では壁厚0.8m以上・ダムや基礎などが対象です。
内外温度差による温度ひび割れが生じやすいため、水和熱が低いセメント(高炉B種・中庸熱)の使用が有効です。
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マスコンクリートは、「大断面のコンクリート」です。ちなみに元々の語源は英語です。
「massive concrete」は直訳で「大規模」という意味があります。
それをカタカナ言葉に訳したものが「マスコンクリート」です。
JASS5によれば、最少断面が壁、梁部材で80cm以上、マット状、柱状で100cm以上のものが目安になります。※JASS5に関しては下記が参考になります。
なぜ断面が大きいだけで、普通のコンクリートと分けているのか。
それは、マスコンクリートが大きな断面の部材のため、水和熱による内部温度上昇など、普通コンクリートにはない特徴があります。
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マスコンクリートには下記の特徴があります。
マスコンクリートは大断面のため、水和熱も大きいです。そのためコンクリート内部と外部との温度差が大きく、
温度応力によるひび割れが発生します。マスコンクリートの品質確保では、上記のひび割れをいかに抑制するかが命題です。
前述したように、マスコンクリートは水和熱が大きいコンクリートです。よって水和熱をなるべく発生させない材料選定が大切です。例えば水和熱を抑える下記のセメントを使います。
※ポルトランドセメントは下記が参考になります。
ポルトランドセメントとは?1分でわかる種類、成分、使い方、特徴
また、高性能AE減水剤の使用も水和熱を抑制する効果的な方法です。水和熱とは、セメント粒子と水が反応することで発生する熱です。
単位水量を減らして水和反応を抑制できれば、温度上昇も抑えることが可能です。
但し、高性能AE減水剤を多量にするとワーカビリティが悪くなります。※ワーカビリティは下記が参考になります。
混同しやすい用語
寒中コンクリート(かんちゅうコンクリート)
日平均気温が4℃以下となる時期に施工するコンクリートで、凍結防止のために加熱・保温養生が必要です。
寒中コンクリートは低温による初期凍結を防ぐことを主眼とするのに対して、マスコンクリートは部材が大断面であるために発生する水和熱による内外温度差のひび割れ対策を主眼とするものであり、問題となる温度の発生原因が異なります。
暑中コンクリート(しょちゅうコンクリート)
日平均気温が25℃を超える時期に施工するコンクリートで、水和反応の促進によるひび割れを防ぐ管理が必要です。
暑中コンクリートは外気温の高さによる水和促進・品質低下への対策であるのに対して、マスコンクリートは断面が大きいためコンクリート自体の水和熱が蓄積して内外温度差が生じることへの対策であり、熱の発生源と対策の方向が異なります。
マスコンクリートを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義(JASS5) | 壁・梁で最小断面80cm以上、マット・柱状で100cm以上 | 大断面のコンクリート |
| 主な問題点 | 水和熱による内外温度差→温度応力ひび割れ | 普通コンクリートと異なる特性 |
| 使用セメント | 中庸熱・低熱ポルトランドセメント | 水和熱を抑えるため |
今回は、マスコンクリートについて説明しました。マスコンクリートは大断面のコンクリートであること、
そのため水和熱が大きいことを覚えておきましょう。その2つが理解できれば、ひび割れが発生しやすいことも想像できると思います。
中々覚えにくい用語ですよね。英語をわざわざカタカナ語に訳したおかげで「マスコンクリート」という変な言葉が生まれています。
「大断面コンクリート」が分かり易くて良いのですが。話が逸れましたが、マスコンクリートに併せて下記も参考にしてください。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
試験ではマスコンクリートの定義(大断面・JASS5の基準)と、温度ひび割れ対策(低水和熱セメント使用)が問われます。
マスコンクリートに使用するセメントの種類(中庸熱・フライアッシュ・高炉B種)と対策の理由を整理しましょう。
温度ひび割れの発生メカニズム(内外温度差→引張応力→ひび割れ)も理解しておくと解答しやすくなります。