この記事の要点
高強度コンクリートとはJASS5でFc36を超えるコンクリートで、JIS規格では呼び強度50・55・60が設定されています。
高強度化のためには水セメント比の大幅な低減(W/C=25~40%程度)と高性能AE減水剤の使用が必要です。
この記事では、高強度コンクリートとは何か、呼び強度の区分はどのようなものか、水セメント比はどう設定するのかを整理します。
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高強度コンクリートは、設計基準強度を高めたコンクリートです。
例えばJASS5ではFc36を超えるコンクリートが高強度コンクリートです。
今回は、高強度コンクリートの意味、帯強度、jisとの関係、水セメント比の規定について説明します。
高強度コンクリートは、コンクリートの設計基準強度(Fc)を高めたコンクリートです。設計基準強度とは、圧縮強度のことです。※設計基準強度については下記が参考になります。
設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味
※「Fc24」と書いてあれば、「設計基準強度が24N/m㎡」という意味です。以降、断りなくFc〇と表現します。
高強度コンクリートの定義は、「JIS」「JASS5」「鉄筋コンクリート造構造計算基準・同解説」により異なります。下記に示しました。
上記より、JASS5では設計基準強度が36N/m㎡を超えれば、高強度コンクリートになります。
構造計算上は普通コンクリートのつもりでも、水セメント比や単位セメント量などJASS5の規定による値が高強度コンクリートに該当するケースもあるのです。
またJISでは、「呼び強度」で高強度コンクリートが定義されています。呼び強度とは「調合管理強度」と同義です。※調合管理強度は下記が参考になります。
設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味
呼び強度は、品質基準強度に構造体強度補正値を加えた値です。よって、呼び強度を「設計基準強度」に換算すると、50や60N/m㎡より小さくなります。
※構造体強度補正値の意味は下記が参考になります。
構造体強度補正値とは?3N・6Nの使い分けと温度による違いを解説
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高強度コンクリートはJIS A 5308により規定されています。
といいます。建築基準法では、主要構造部にはJIS規格品またはJAS規格品あるいは大臣認定品を用います。
よって、高強度コンクリートは呼び強度50~60の範囲内で「普通に」使えます。
※大臣認定を必要とせず、普通に使える材料を指定建築材料といいます。下記を参考にしてください。
指定建築材料とは?意味・材料の一覧とJIS・あと施工アンカーの扱い(建築基準法)
ただし、それ以上の高強度コンクリート(例えばFc100)は、個別に大臣認定を受ける必要があります。
さて、JIS A 5308では高強度コンクリートが呼び強度で規定されています。呼び強度とは、調合管理強度と同義です。調合管理強度は下記でした。
※詳しくは下記が参考になります。
設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味
またJISA5308によれば、呼び強度は材齢28日の供試体の強度です。圧縮試験により、供試体の強度は、
とする必要があります。
呼び強度を設定した後は、実際にコンクリートをつくるため配合(調合)します。
このとき調合のばらつきを考慮して、調合管理強度(呼び強度)をさらに割増しします。これが「調合強度」です。
高強度コンクリートは、コンクリートのFcを高めるため、単位セメント量を多くして、単位水量を少なくします。
よって、水セメント比は自然と小さい値となります。下記に、単位セメント量と単位水量の規定を示します。
上記の値から、水セメント比を算出すると55%程度です。※水セメント比の詳細は下記が参考になります。
水セメント比とは?計算方法・60%以下の根拠・単位水量との関係
高強度コンクリートは、強度を高くするため水セメント比を抑えます。よって下記に注意します。
高強度コンクリートのメリットだけでなく、デメリットにも注意したいですね。
※ワーカビリティの意味は下記が参考になります。
混同しやすい用語
呼び強度
JISで規定されるコンクリートの注文単位となる強度で、調合管理強度(品質基準強度+補正値)と同義です。
高強度コンクリートをJASS5でFc36超と定義するのに対して、JISでは呼び強度50・55・60で定義しており、同じ高強度コンクリートでも規準によって定義値が異なります。
普通コンクリート
JASS5においてFc36以下の一般的な強度のコンクリートで、建築物に最も多く使用される標準的なコンクリートです。
高強度コンクリートはFc36を超える強度で水セメント比を低く抑える必要があるのに対して、普通コンクリートは水セメント比の制限が比較的緩く施工性に優れます。
| 項目 | 普通コンクリート | 高強度コンクリート |
|---|---|---|
| 設計基準強度Fc | Fc18?Fc36 | Fc36超(Fc50?Fc100程度) |
| 水セメント比W/C | 40~65% | 25~40% |
| JIS呼び強度 | ?36 | 50・55・60 |
| 主な用途 | 一般建物全般 | 超高層ビル・大スパン構造 |
| 注意点 | 標準的な施工管理 | 爆裂リスク・脆性破壊への注意 |
今回は高強度コンクリートについて説明しました。高強度コンクリートの意味が理解頂けたと思います。
高強度コンクリートは強度・剛性が高く、近年研究が活発です。今後も高強度コンクリートによる建物が増えるでしょう。
定義や強度の関係は理解しておきましょうね。下記も参考になります。
コンクリートの種類7選|普通・軽量・高強度など用途別の特性をわかりやすく解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
