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構造体強度補正値とは?3分で分かる意味、温度による違い

コンクリートは鋼と違い、均質な強度が得られるとは限りません。そこで、構造体強度補正値を設定します。これは外気温により変わる値です。今回は、構造体強度補正値の意味、計算方法、調合管理強度と調合強度について説明します。また、土間コンクリートや杭の構造体強度補正値も紹介します。

構造体強度補正値とは

構造体強度補正値とは、下式で示すmSnの値です。

mSnは下記のように定義されています(JASS5)。Fmは調合管理強度、Fqは品質基準強度です。品質基準強度については下記の記事が参考になります。

設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味


標準養生した供試体の材齢m日における圧縮強度と構造体コンクリートの材齢n日における圧縮強度の差による構造体強度補正値。mSnは0以上の値とする。


また、構造体強度補正値は下表の値が設定されています。

セメントの種類 コンクリートの打込みから28日までの期間の予想平均気温θの範囲
早強ポルトランドセメント 0≦θ≦5 5≦θ
普通ポルトランドセメント 0≦θ<8 8≦θ
中庸熱ポルトランドセメント 0≦θ<11 11≦θ
低熱ポルトランドセメント 0≦θ<14 14≦θ
フライアッシュセメントB種 0≦θ<9 9≦θ
高炉セメントB種 0≦θ<13 13≦θ
構造体強度補正値 S 6 3

また、暑中コンクリートも構造体強度補正値は6です。


コンクリートは外気温により、強度の出方が変わります。一般的に寒いと、硬化が遅れ強度が出にくいです。また、コンクリートはどうしても強度にバラつきがあります。強度が高くでる分には良いですが、所定の品質基準強度より低いと大変です。


そこで構造体強度補正値を設けます。前述した構造体強度補正値のmとnは、特記無い限り、

です。材齢28日の供試体は下記の圧縮強度を満たす必要があります(品質基準強度に構造体強度補正値を加えた「調合管理強度Fm」)。


次に、材齢91日に構造体コンクリート(要は柱や梁)の圧縮強度は、品質基準強度Fqを満たす必要があります。


材齢28日時点で、構造体強度補正値を加えた調合管理強度を満たすのなら、材齢91日では、調合管理強度よりも低い品質基準強度はほぼ満たすでしょう。


これが構造体強度補正値なしだと、強度のバラつきにより品質基準強度を満たさないかもしれません。


また、供試体(圧縮強度試験を行うサンプル)は、標準水中養生といって最もコンクリートの強度が出やすい環境で養生します。一方、構造体コンクリートは外部環境に曝されるため、外部の影響で強度が変わります。これも構造体強度補正値を加える目的です。

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構造体強度補正値と調合強度の関係

さらに、「調合管理強度」も確率的なバラつきで、所定の強度を満足しないかもしれません。そこで、調合管理強度に統計的な処理を施して、下記のように強度を割増します。この強度を「調合強度」といいます。

Fは調合強度、Fmは調合管理強度、σはコンクリート圧縮強度の標準偏差です。上式を両方満たすことで、調合管理強度の不良率(不良率とは強度を満たさない割合)は限りなく0に近づきます。ゆえに、構造体コンクリートの品質基準強度は必ず満たすのです。

土間コンクリート、捨てコンクリートの構造体強度補正値

まず捨てコンクリートは構造体強度補正値を加える必要がありません。それは捨てコンクリートが構造体では無いからです。


土間コンクリートは議論が分かれますが、構造体でなければ良いかもしれませんが、重量物が載る土間や地下で土圧を受ける場合など、所定の強度が必要な場合があります。やはり構造体強度補正値を見込むべきでしょう。

杭の構造体強度補正値

場所打ちコンクリートは、柱や梁のように生コンを打設します。よって構造体強度補正値を加えます。一般的には、前述した3又は6ですが、杭は大臣認定を取得しており別途構造体強度補正値が設定されます。


例えば、ある会社の場所打ち杭コンクリートでは普通コンクリートを用いた杭は、

です。

まとめ

今回は、構造体強度補正値について説明しました。構造体コンクリートの強度を満たすために、調合管理強度や調合強度がありましたね。構造体強度補正値の意味も重要ですが、調合管理強度とセットで覚えましょう。また、土間コンクリートや捨コン、杭など構造体強度補正値を0とする場合もあります。また、下記の記事も参考になります。

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