建築学生が学ぶ構造力学

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令和2年度 二級建築士 構造 No.18を解説、建築物の固有周期に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)No.18は、建築物の固有周期に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

質量と固有周期の関係、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の比較、躯体のひび割れ、耐震スリット、免震構造が問われます。判断の決め手は、質量が固有周期にどう影響するかです。

引っかけの核心は、質量と周期の向きです。水平剛性が同じなら、質量が小さいほど固有周期は短くなります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(不適当) 水平剛性が同じなら、質量が小さいほど固有周期は短くなります。長くなるとした点が誤りです。
2 ○(正しい) 形状・高さが同じなら、剛性の小さい鉄骨造のほうがRC造より固有周期が長くなります。
3 ○(正しい) RC造では、躯体にひび割れが発生するほど剛性が低下し、固有周期が長くなります。
4 ○(正しい) 柱と腰壁の間に耐震スリットを設けると剛性が下がり、固有周期が長くなります。
5 ○(正しい) 免震構造を採用すると、採用しない場合に比べて固有周期が長くなります。

選択肢1は、質量が小さいほど固有周期が長くなるとした点が誤りで、質量が小さいほど固有周期は短くなります。

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選択肢1のポイント

建築物の固有周期Tは、1回ゆれて元に戻るのにかかる時間で、次の式で表されます。

T = 2π√(m / k)(m=質量、k=水平剛性)。

この式から、質量mが大きいほどTは長く、小さいほどTは短くなります。重い建物ほどゆっくり揺れ、軽い建物ほど速く揺れるイメージです。また、水平剛性kが大きい(硬い)ほどTは短く、小さい(やわらかい)ほどTは長くなります。

選択肢1は「水平剛性が同じであれば、質量が小さいほど固有周期が長くなる」としていますが、質量が小さいほど固有周期は短くなるのが正しく、向きが逆で誤りです。

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覚え方

  • 固有周期T=2π√(m/k)。質量mが小さいほど周期は短い/水平剛性kが大きいほど周期は短い
  • 剛性が下がると周期は長くなる:鉄骨造はRC造より周期が長い/ひび割れ・耐震スリットで剛性低下→周期が長い
  • 免震構造は、固有周期を長くして地震力を低減する

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理解度チェック

Q.

建築物は、水平剛性が同じであれば、質量が小さいほど固有周期が長くなる。〇か×か。

×。固有周期T=2π√(m/k)より、質量mが小さいほど周期は短くなります。

Q.

鉄筋コンクリート造で、柱と腰壁の間に耐震スリットを設けると、設けない場合に比べて固有周期が長くなる。〇か×か。

。耐震スリットで腰壁が柱を拘束しなくなり剛性が下がるため、固有周期は長くなります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅲ(建築構造)問題」
  • 建築物の固有周期(T=2π√(m/k)、質量が小さいほど周期は短い):建築構造力学・耐震工学の基礎
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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