建築学生が学ぶ構造力学

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平成28年度 一級建築士 構造 No.30を解説、総合的な構造計画に関する誤りを見抜くポイント

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平成28年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.30は、建築物の総合的な構造計画に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

耐火設計の目標、余裕をもたせた設計とライフサイクルコスト、エキスパンションジョイントによる分割、中間階免震の耐火被覆が問われます。決め手は、エキスパンションジョイントで整形に分割すると温度応力・乾燥収縮にどう働くかです。

引っかけの核心は、エキスパンションジョイントで整形に分割すると「温度応力やコンクリートの乾燥収縮に対しては不利になる」としているところです。分割で部材が短くなり、温度応力・乾燥収縮に対してはむしろ有利です。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 耐火設計は、火災終了まで建築物を崩壊・倒壊させないことを目標とします。正しい記述です。
2 ○(正しい) 断面等に余裕をもたせる設計はイニシャルコスト増ですが、寿命を延ばしライフサイクルコストの節減につながります。正しい記述です。
3 ×(最も不適当) 分割は温度応力・乾燥収縮に対して有利です。不利になる、とする点が誤りです。
4 ○(正しい) 中間階免震で免震層を居室に使う場合、火災時を考慮して免震支承に耐火被覆を施します。正しい記述です。

選択肢3は、分割が温度応力・乾燥収縮に対して不利とした点が誤りで、部材が短くなるぶん有利になります。

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選択肢3のポイント

温度応力や乾燥収縮による力は、部材が長いほど大きくなります。連続した長い建築物ほど、両端の拘束による応力がたまりやすくなります。

エキスパンションジョイントで整形な単位に分割すると、一つ一つの長さが短くなります。そのぶん温度応力・乾燥収縮による力は小さくなり、これらに対しては有利になります。

選択肢3は分割が不利になるとしていますが、実際は有利です。「分割で短くなる=温度・乾燥収縮に有利」と押さえます。

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覚え方

  • エキスパンションジョイントで分割すると温度応力・乾燥収縮に有利(部材が短くなる)
  • 耐火設計は火災終了まで崩壊・倒壊させないことが目標
  • 余裕をもたせた設計は寿命を延ばしライフサイクルコストを節減
  • 中間階免震で免震層を居室に使うなら免震支承に耐火被覆

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理解度チェック

Q.

エキスパンションジョイントで整形に分割すると、温度応力や乾燥収縮に対して不利になる。〇か×か。

×。部材が短くなるぶん有利になります。

Q.

中間階免震で免震層を居室として使う場合、免震支承にどんな処置をするか。

火災時を考慮して耐火被覆を施します。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成28年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 総合的な構造計画(分割は温度応力・乾燥収縮に有利、耐火設計の目標、ライフサイクルコスト、中間階免震の耐火被覆):各種構造設計指針ほか。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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