この記事の要点
温度応力とは、温度変化による材料の膨張・収縮が拘束されることで発生する応力です。σ = E × α × ΔTで計算します(αは線膨張係数)。
鋼材(α≈12×10⁻⁶/℃)・コンクリート(α≈10×10⁻⁶/℃)の線膨張係数の違い・建築物での温度変化の影響と、エキスパンションジョイント(EJ)による対策を解説します。
温度が上がると材料は伸び、下がると縮みます。
この記事では、温度応力とは何か、どう計算するのか、線膨張係数とどう関係するのかを整理します。
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
温度応力(おんどおうりょく)とは、外気温の変化による材料の伸縮に伴う応力です。温度が上がると材料は伸び、下がると縮みます。今回は温度応力の意味、零度と計算、熱膨張係数との関係について説明します。
材料の伸び縮みは、下記が参考になります。
材料の伸びとは?計算式・絞りとの違いと建築鋼材の延性確保基準
100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事
温度応力(おんどおうりょく)とは、外気温の変化による材料の伸縮に伴う応力です。
下図をみてください。ある材料を両端で固定しました(固定端)。両端を固定したので、この材料は伸縮できません。
さて、温度が上昇すると材料は伸び、下降すると縮みます。上図の状態で、外気温が上昇しました。両端が自由なら、材料は伸びます。ただ、両端が固定され伸びることができません。
このとき材料には、「伸びようとする変形を抑える力」が働きます。伸びる材料を抑えるには「圧縮力」を加えると良いですね。よって、材料には圧縮応力が生じます。
逆に、温度が下降するとき材料は縮もうとしますが、それを抑える引張力が内部に生じます。圧縮力、引張力の意味は、下記が参考になります。
引張力と圧縮力の違いとは?符号・強度・記号(σt・σc)を解説
温度応力は下式で計算します。
σ=Eα(t1-t)
σは温度応力、Eは材料のヤング係数、αは熱膨張係数、t1は変化後の温度(温度変化後)、tは変化前の温度(温度変化前)です。
上式を誘導しましょう。熱膨張係数とは、長さLの部材が1℃の温度変化を受けて、ΔLだけ変化するとき、ΔL/Lの値です。下式に熱膨張係数を示します。
α=ΔL/L
ΔL=αL
よって、t℃のとき長さLの材料が、t1℃になったときΔL伸びたとすると、
ΔL=Lα(t1-t)
です。ここで応力とひずみの曲線を思い出してください。
σ=Eε
σ=Eε=EΔL/L=ELα(t1-t)/L=Eα(t1-t)
です。
前述した通り、温度応力は熱膨張係数に比例します。温度応力の計算方法を覚えましょう。「ひずみ」の算定に似ていますね。ひずみの意味は、下記が参考になります。
ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説
混同しやすい用語
温度応力と熱応力
どちらも温度変化によって生じる応力を指し、実質的に同じ意味です。
材料が拘束されている場合に発生します。
温度応力と熱膨張
熱膨張は材料が温度変化で伸縮する現象で、両端が自由な場合は応力は生じません。
両端が固定されて変形が拘束されたとき初めて温度応力が発生します。
ひずみと応力
ひずみは変形量(無次元)、応力は変形を引き起こす内力です。
温度応力の計算はσ=Eεに基づき、ひずみε=α(t1-t)から求めます。
温度応力を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | 外気温変化による材料の伸縮に伴う応力 | 両端固定時に発生する |
| 計算式 | σ=Eα(t1-t) | Eはヤング係数、αは熱膨張係数 |
| 発生条件 | 材料が拘束されて変形できない場合 | 自由端の場合は応力は生じない |
今回は温度応力について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
温度応力は、温度変化で生じる応力です。
熱膨張係数が大きな材料では、温度応力による材料の劣化(ひび割れなど)が問題になります。
簡単な計算で、温度変化による伸びや応力を計算できるので、是非覚えてくださいね。
下記の記事も参考になります。
ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
温度応力とは?
温度変化による材料の膨張・収縮が拘束されることで発生する応力です。温度が上がると材料は伸び、下がると縮みますが、その変形が拘束されると応力が生じます。
温度応力の計算式は?
σ=E×α×ΔTで計算します。Eはヤング係数、αは線膨張係数、ΔTは温度変化です。鋼材のαは約12×10-6/℃、コンクリートは約10×10-6/℃です。
両端を固定した材料の温度が上昇すると、どんな応力が生じますか?
圧縮応力が生じます。両端固定で伸びられない材料が温度上昇で伸びようとするのを抑えるには圧縮力が必要なため、圧縮応力が働きます。
