建築学生が学ぶ構造力学

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平成30年度 一級建築士 構造 No.22を解説、壁式RC造に関する誤りを見抜くポイント

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平成30年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.22は、壁式鉄筋コンクリート造の建築物の設計に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

耐力壁の厚さ比、設計基準強度と必要壁量、階高と保有水平耐力計算、耐力壁の開口の扱いが問われます。決め手は、換気扇程度の小さな開口を、補強なしに開口がないものとみなせるかどうかです。

引っかけの核心は、耐力壁の長さの算定で「住宅用の換気扇程度の開口は、補強をしなくても開口がないものとみなすことができる」としているところです。小さな開口でも、補強なしに開口なしとはみなせません。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 耐力壁の面外座屈に対する安全性を確保するため、鉛直支点間距離に対する壁厚の比の最小値が規定されています。正しい記述です。
2 ○(正しい) 使用するコンクリートの設計基準強度を高くすると、一般に必要壁量を小さくできます。正しい記述です。
3 ○(正しい) 階高が3.5mを超える場合は、保有水平耐力計算によって安全性を確かめる必要があります。正しい記述です。
4 ×(最も不適当) 換気扇程度の小さな開口でも、補強なしに開口がないものとみなすことはできません。みなすことができる、とする点が誤りです。

選択肢4は、換気扇程度の開口を補強なしで開口がないものとみなせるとした点が誤りで、開口として扱うか、所定の開口補強が必要です。

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選択肢4のポイント

壁式RC造は、柱や梁ではなく耐力壁で地震力に抵抗する構造です。耐力壁の長さ(実長)は、抵抗力を左右する大事な値なので、開口の扱いには決まりがあります。

耐力壁に開口があると、その部分では力が流れにくくなります。たとえ換気扇のスリーブ程度の小さな開口でも、そこに応力が集中したり実長が短くなったりするため、補強なしに「開口がないもの」とみなすことはできません。開口として扱って実長から除くか、開口周囲に所定の補強を行って初めて、構造上有効な壁として評価できます。

選択肢4は、換気扇程度の開口なら補強なしで無開口とみなせるとしていますが、これは開口の扱いを甘くみた誤りです。「小さな開口でも、補強なしに開口なしとはみなせない」と押さえます。

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覚え方

  • 壁式RC造では、換気扇程度の小開口でも補強なしに開口なしとはみなせない
  • 耐力壁の面外座屈は、鉛直支点間距離に対する壁厚の比の最小値で規定
  • 設計基準強度を高くすると必要壁量を小さくできる
  • 階高3.5m超は保有水平耐力計算で安全性を確認

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理解度チェック

Q.

壁式RC造の耐力壁の長さの算定で、換気扇程度の開口は補強なしで開口がないものとみなせる。〇か×か。

×。小さな開口でも、補強なしに開口なしとはみなせません。開口として扱うか所定の補強が必要です。

Q.

壁式RC造で、コンクリートの設計基準強度を高くすると必要壁量はどうなるか。

一般に小さくできます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成30年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 壁式RC造(小開口でも補強なしに開口なしとはみなせない、壁厚比の最小値、設計基準強度と必要壁量、階高3.5m超の保有水平耐力計算):壁式鉄筋コンクリート造設計・計算規準(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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