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保有水平耐力とは何か?

保有水平耐力は、建物の安全性を表す値の1つです。今回は保有水平耐力について説明します。


保有水平耐力ってなに?

日本の構造設計は、2段階の計算を行っています。1つは許容応力度計算(1次設計)と呼ばれる、部材の許容応力度に対してOKかNGか確認する作業です。


もう1つは保有耐力計算(2次設計)といって、大地震時の水平力に対して、柱や梁の曲げ降伏、せん断破壊を確認し、建物の「保有する耐力」と、「必要とされる耐力」を比較し、保有する耐力が上回っていることを確認します。


※必要とされる耐力は、必要保有水平耐力といいます。必要保有水平耐力は、下記の記事が参考になります。


保有水平耐力とは、前述した「建物が保有する耐力」を意味します。例えば、あなたが住んでいるマンションの必要保有水平耐力が5000kNだとします。このとき、保有水平耐力は5000kN以上でないと、建物は安全とは言えません。よって、

という関係が成り立ちます。


構造計算では、上記を、

として算定し、Qu/Qunが1.00以上であることを確認します。


では、どうやって建物の保有する耐力を求めるのでしょうか。これは裏を返せば、「建物は、どこまで力を作用させれば壊れるのか?」に等しい疑問です。

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建物の壊れ方と保有水平耐力

建物の壊れ方で一番好ましくないのは、『せん断破壊』です。なぜなら、せん断破壊は『急にグシャッ!』と壊れてしまいます。100あった耐力が急に0になることをイメージしてください。一方、曲げ破壊は、どちらかと言えば、じわじわと『ヒンジ』と呼ばれる回転機構を形成して、水平力を保持できなくなります。


この壊れ方を確認するために、水平力を細かく刻んで、どの部材が先に『降伏』するのか確認します。あるいはせん断破壊を確認します。『せん断破壊』は許されない破壊モードですから、せん断破壊が起きた時点で、その建物は『崩壊した』と考えます。


また、せん断破壊を起こさず、部材に曲げ破壊が起き続けると、部材は水平力は負担せずに、変形だけが進みます。部材のほとんどにヒンジが発生して変形が進みます。建物が変形しすぎるのは危険です。そこで、保有水平耐力を決めるとき、層間変形角を規定することで耐力を決めるのです。


このとき、柱と梁には応力が作用しています。柱に着目すると、『せん断力』が作用していますね。このせん断力を集計すると、建物全体に作用した水平力が求められます。これが、『保有水平耐力』です。


※建物の壊れ方や、崩壊形に関しては下記の記事も参考になります。


まとめ

今回は保有水平耐力について説明しました。保有水平耐力の意味は簡単、「建物が保有する耐力」です。重要なのは、その耐力を算定する方法と考え方ですね。建物の耐力を決めるために、建物の壊れ方を決めているのだ、と理解しましょう。


以上、今回の記事が参考になれば幸いです。下記の記事も、併せて参考にしてください。

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