建築学生が学ぶ構造力学

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令和元年度 一級建築士 構造 No.18を解説、鉄骨構造の耐震計算(ルート)に関する誤りを見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.18は、冷間ロール成形角形鋼管(BCR)を柱に用いた建築物の耐震計算に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

ルート1-1・1-2・2・3のそれぞれで、地震力の大きさや検討項目、冷間成形角形鋼管の割増がどうなるかが問われます。決め手は、鉄骨造のルート1で用いる標準せん断力係数Coの値です。

引っかけの核心は、ルート1-1で「標準せん断力係数Coを0.2として地震力を算定した」としているところです。鉄骨造のルート1では、Coを0.3以上とします。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(最も不適当) 鉄骨造のルート1では、標準せん断力係数Coを0.3以上とします。ルート1-1でCoを0.2とした、とする点が誤りです。
2 ○(正しい) ルート1-2でCoを0.3として地震力を算定し、柱に生じる力を割り増したので、層間変形角・剛性率の検討を省略できます。正しい記述です。
3 ○(正しい) ルート2で、最上階の柱頭・1階の柱脚を除く接合部について、柱の曲げ耐力の和を梁の曲げ耐力の和の1.5倍以上とするのは、冷間成形角形鋼管柱の規定に沿います。正しい記述です。
4 ○(正しい) ルート3で局部崩壊メカニズムとなった場合、柱の耐力を低減して保有水平耐力を算定し、必要保有水平耐力以上であることを確認します。正しい記述です。

選択肢1は、ルート1-1で標準せん断力係数Coを0.2とした点が誤りで、鉄骨造のルート1では0.3以上とします。

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選択肢1のポイント

耐震計算のルートは、建物の規模や検討の深さで分かれます。ルート1は、規模の小さい建物で、細かい変形や崩壊の検討を省く代わりに、大きめの地震力で余裕をもって設計する方法です。

そのため、鉄骨造のルート1(ルート1-1・ルート1-2とも)では、標準せん断力係数Coを0.3以上とします。変形能力の検討をしない分、地震力を割り増して安全側に設計する考え方です。Co=0.2を用いるのは、層間変形角・剛性率や保有水平耐力などの検討を行うルート2・ルート3のほうです。

選択肢1は、ルート1-1でCo=0.2としています。ルート1に必要な0.3以上を満たしておらず、最も不適当です。「ルート1はCo≧0.3、ルート2・3はCo=0.2+各種検討」と押さえます。

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覚え方

  • 鉄骨造のルート1(1-1・1-2)は、標準せん断力係数Coを0.3以上とする
  • ルート2・ルート3はCo=0.2+層間変形角・剛性率・保有水平耐力などの検討
  • 冷間成形角形鋼管柱は、ルート2で柱梁耐力比1.5倍以上(最上階柱頭・1階柱脚を除く)
  • ルート3の局部崩壊メカニズムでは、柱の耐力を低減して保有水平耐力を算定

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理解度チェック

Q.

鉄骨造のルート1-1では、標準せん断力係数Coを0.2として地震力を算定してよい。〇か×か。

×。鉄骨造のルート1では、Coを0.3以上とします。Co=0.2はルート2・3で用います。

Q.

冷間成形角形鋼管柱をルート2で用いる場合、接合部の柱と梁の曲げ耐力の関係はどう求めるか。

最上階柱頭・1階柱脚を除く接合部で、柱の曲げ耐力の和を梁の曲げ耐力の和の1.5倍以上とします。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 鉄骨造の耐震計算ルート(ルート1の標準せん断力係数Coは0.3以上):建築基準法施行令第81条・第88条、昭和55年建設省告示第1791号。冷間成形角形鋼管柱の柱梁耐力比:平成19年国土交通省告示第593号。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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