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層間変位、層間変形角とは何か?

建物の安全性は、大まかに2つの材料から判断します。1つは応力度、2つ目は変形です。


応力度とは、建物が荷重を受けた時の構造部材に発生している応力の平米当たりの値です。これが部材の強度以下であることを確認する必要があります(ザックリ言えば、これが許容応力度設計)。


しかし、いくら強度の高い部材だからと言って変形が大きすぎては生活環境に支障をきたします。『糸』は、あれだけ細くても強度はとても高い材料です。しかし変形は・・・?言うまでもないですね。


建物も同じです。強度が高くても変形は小さくします。このとき、建物の変形をどこまで抑えれば良いのか? そもそも建物の変形とは一体何を指すのか?


この答えが、『層間変位』、もしくは『層間変形角』となります。今回は、『層間変位』と『層間変形角』について説明します。


層間変位は建物の床から床までの相対的な変形量のこと。

単に『変位』と書いてあれば良いのですが、『層間』と書いてあることに着目します。これは図をみた方がわかりやすいでしょう。


下図は4階建ての建物が地震によって変形した図です。破線が変形後の建物と考えてください。このとき、1階床は変形しませんが、2階〜屋根まで変形が生じています。一番大きな変位は屋根面です。

この屋根面を建物の変位としたいのですが、いささか問題があります。それは、屋根の変位は各階の変形量に依存することです。つまり、1階〜4階まで建物は一様に変形するわけではありません。


各階で地震力が違えば、構造部材の強さも違います。フックの法則からも明らかです。

では各階の変位をどうやって知れば良いのかというと、これは各層での変位を差し引きすれば良いのです。いま、図のように3階床と4階床で変位が生じています。よって、3階の層間変位は、

となります。

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層間変形角とは何か?

しかし、建物の変形に対する安全性を判断するにはまだ不十分です。なぜなら、階高の大きさが違えば見かけ上の剛性が低下し、変形量は大きくなります。


仮に、柱や梁の太さが全部同じだとしても。


つまり、必要な情報は変位の絶対量ではなくて、階高と変位との比率です。例えば、階高6mに対して変形量10mmと、階高3.5mに対して5mmでは、一見、前者の方が大きく変形しているように思います。


しかし、これは見かけ上大きく見えているだけで層間変形角を計算すれば、本当はどちらが『変形しにくい建物か』分かるのです。

上記より、どちらが変形しにくいか分かったでしょうか。層間変形角では、分母の数字がより大きいほど変形しにくいことを意味します。


まとめ

今回は、層間変位と層間変形角について説明しました。層間変位は各層の変位差を意味します。層間変形角は層間変位と階高との比率だと理解してください。


また層間変形角は、保有水平耐力の算定にも用います。詳細は省略しますが、ある層間変形角に達した時を建物の耐力とするのです。保有水平耐力や必要保有水平耐力の詳細な内容は、下記の記事を参考にしてくださいね。

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