建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 構造
  4. 令和2年
  5. > No.17 鉄骨構造

令和2年度 一級建築士 構造 No.17を解説、鉄骨構造に関する誤りを見抜くポイント

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

令和2年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.17は、鉄骨構造に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

先に一つだけ。独学の効率に不安があるなら、スキマ時間で回せるスタディングの建築士講座を無料で試すのが早いです(スマホ完結・大手の約1/10)。

この問題のポイント

引張筋かいの保有耐力接合、H形鋼の横座屈、鋼種の変更と弾性変形、幅厚比と局部座屈が問われます。判断の決め手は、強度の高い鋼材に変えると弾性変形が小さくなるかどうかです。

引っかけの核心は、SN400BSN490Bに変えれば「弾性変形を小さくできる」としているところにあります。弾性変形は鋼種では変わりません。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

建築構造ポケットブック

建築構造ポケットブック

構造は数値や公式が多い分野です。高さ・面積・荷重・断面などを1冊で引けると、問題演習の確認が早くなります。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 引張筋かいの保有耐力接合では、筋かい軸部の降伏耐力より、端部・接合部の破断耐力を大きくします。
2 ○(正しい) H形鋼の梁が曲げを受け、ねじれを伴って圧縮側フランジが面外にはらみ出す座屈を横座屈といいます。
3 ×(誤り) 弾性変形はヤング係数で決まるため、同一断面でSN490Bに変えても弾性変形は変わりません
4 ○(正しい) H形鋼の梁で、板要素の幅厚比を小さくすると、局部座屈が生じにくくなります。

選択肢3は、SN490Bに変えれば弾性変形を小さくできるとした点が誤りで、ヤング係数が同じため弾性変形は変わりません。

独学だと、こういう論点の背景を一つずつ調べるだけで時間が溶けます。要点を絞った講義で効率よく進めたいなら、スタディングの建築士講座(スマホ完結・大手の約1/10)を無料で試せます。

選択肢3のポイント

部材の弾性変形(たわみ・変位)は、力を加えたときの「硬さ」=剛性で決まります。剛性は、材料のヤング係数Eと、断面の大きさ(断面二次モーメントなど)で決まります。

鋼材のヤング係数Eは、強度の高い低いにかかわらず、ほぼ一定で205kN/mm²です。SN400BもSN490Bも、Eは同じです。違うのは降伏点・引張強さ(強さ)であって、Eは変わりません。

したがって、同一断面のままSN400BをSN490Bに変えても、断面もEも変わらないので弾性変形は変わりません。選択肢3は「弾性変形を小さくできる」としていて誤りです。弾性変形を小さくしたいなら、断面を大きくして剛性を上げます。強度を上げても剛性(弾性変形)は変わらない、と押さえます。

構造を得点源にするなら、科目別おすすめ本(構造力学)一級のおすすめ参考書・問題集もあわせてどうぞ。独学での進め方は建築士は独学で合格できる?で整理しています。

覚え方

  • 鋼材のヤング係数Eは強度によらず一定(約205kN/mm²)。鋼種を変えても弾性変形は変わらない
  • 弾性変形を小さくするには断面を大きくして剛性を上げる(強度ではなく剛性の問題)
  • 引張筋かいの保有耐力接合は端部・接合部の破断耐力>軸部の降伏耐力/幅厚比を小さくすると局部座屈しにくい

通勤や休憩のスキマ時間だけで学習を進めたいなら、スタディングの建築士講座が向いています。合格に必要な範囲に絞ったスマホ講義で、独学の遠回りを減らせます(無料お試しあり)。

理解度チェック

Q.

ラーメン架構の柱・梁に、SN400Bの代わりに同一断面のSN490Bを用いると、弾性変形を小さくできる。〇か×か。

×。弾性変形はヤング係数と断面で決まり、SN400もSN490もEは同じなので、同一断面なら弾性変形は変わりません。

Q.

H形鋼の梁で、板要素の幅厚比を小さくすると、局部座屈が生じにくくなる。〇か×か。

。幅厚比を小さくすると(板を厚く・幅を狭く)、局部座屈が生じにくくなります。

令和2年 一級建築士 構造 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 鉄骨構造(鋼材のヤング係数Eは鋼種によらず約205kN/mm²で弾性変形は鋼種で変わらない、引張筋かいの保有耐力接合、横座屈、幅厚比と局部座屈):鋼構造設計規準(日本建築学会)
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

Topへ >>