この記事の要点
局部座屈とは板で構成された部材の一部が圧縮力により局所的にはらみ出す座屈で、鉄筋コンクリートや木造では発生しない鉄骨特有の現象です。
幅厚比(b/t)が大きいほど局部座屈が生じやすく、対策は板厚を大きくして幅厚比を小さくすることです。
この記事では、局部座屈とは何か、幅厚比はどう計算するのか、全体座屈とどう違うのかを整理します。
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局部座屈とは、板で構成された部材について、圧縮力により板の一部が局所的に横にはらみ出し、耐力を失うような座屈です。
鉄筋コンクリート造や木造のように、部材断面が板で構成されない場合、局部座屈は起きません。
今回は、局部座屈の意味、対策、幅厚比の計算、板座屈、全体座屈との違いについて説明します。
座屈、板座屈の詳細は下記が参考になります。
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局部座屈とは下図のように、板で構成された部材について、圧縮力により板のある部分が局所的に横にはらみ出し耐力を失うような座屈です。部材断面が板で構成されない鉄筋コンクリート造、木造では局部座屈は起きません。


下図をみくてださい。局部座屈は幅に対して薄い板で構成される断面で起きやすく、幅に対して厚い板で構成される場合、起きにくいです。

よって、局部座屈を起こさない対策としては、部材断面の幅に対して板厚を大きくすることが挙げられます。
前述したように、局部座屈を起こさないためには、部材断面の幅に対して板を厚くします。つまり、局部座屈は部材の幅と板厚に関係があり、局部座屈に対する抵抗性を表す値が「幅厚比」です。
幅厚比が小さいほど、局部座屈に強いことを意味します。逆に値が大きいと、局部座屈に弱いです。幅厚比は下式により計算します。

bは幅、tは板厚です。この2つの値がパラメータとなるわけです。なお、幅厚比に関わらず、AB比という言葉は、AB比=A/Bという関係があります。
鉄骨は強く固い材料です。そのため下図のような中空材料(中が空洞)が多く用いられます。部材自重をより軽くするためです。※中空材料の詳細は下記をご覧下さい。
中実材(ちゅうじつざい)とは?中空材との違い・断面二次モーメントの比較

鉄骨は強く固いので、中まで詰まった部材を使わなくても大丈夫です。これらを「板要素で構成された部材」といいます。※板要素は下記が参考になります。
板要素とは|梁要素との違い・幅厚比・局部座屈のリスクを理解する
但し、板要素は板厚が薄ければ薄いほど座屈しやすくなります。例えば紙をイメージしてください。その紙を筒状に丸めてみましょう。
次に、その筒を上から手で押します。筒の外側がぐしゃっと凹んだり、膨らんで潰れませんでしたか?これが板の座屈です。局部座屈と言います。
板は板厚が大きくなるほど、潰れにくいです。逆に板が薄く、あるいは幅に対して板厚が薄いほど潰れやすくなります。これを数値化したものが幅厚比なのです。
局部座屈と板座屈、全体座屈との違いを下記に示します。
・局部座屈 ⇒ 板で構成された部材について、圧縮力により板のある部分が局所的に横にはらみ出し耐力を失うような座屈
・板座屈 ⇒ 局部座屈と同様の意味で用いる
・全体座屈 ⇒ 部材を構成する板、および、部材単位では座屈していないが、骨組み、あるいは架構全体が座屈すること。大空間を構成する大屋根(空間構造)等で注意が必要
板座屈、横座屈の詳細は下記が参考になります。
混同しやすい用語
「局部座屈」と「全体座屈」
局部座屈は部材を構成する板の一部分が局所的にはらみ出す座屈。
幅厚比が大きいと生じやすい。
板座屈とも呼ばれる。
「幅厚比」と「細長比」
幅厚比は板の幅を板厚で割った値で、局部座屈の発生しやすさを表す。
細長比は部材の長さを断面二次半径で割った値で、全体座屈の発生しやすさを表す。
局部座屈を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 発生条件 | 板要素で構成された鉄骨断面に圧縮力が作用 | RC造・木造では発生しない |
| 判定指標 | 幅厚比 b/t(小さいほど安全) | 設計基準により部位ごとに上限値を規定 |
| 対策 | 板厚を大きくして幅厚比を小さくする | リブ補剛を設けることも有効 |
今回は、局部座屈について説明しました。局部座屈とは、板で構成された部材について、圧縮力により板のある部分が局所的に横にはらみ出し耐力を失うような座屈です。座屈、板座屈の詳細など下記も勉強しましょう。
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試験での問われ方|管理人の一言
局部座屈を防ぐには幅厚比を制限値以下に抑えることが重要です。
鋼構造の設計基準では部材の板要素ごとに幅厚比の上限値が規定されています。