建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 二級建築士 施工 No.13を解説、高力ボルト接合に関する誤りを見抜くポイント

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平成29年度 二級建築士試験 学科Ⅳ(建築施工)No.13は、高力ボルト接合に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

まくれの処理、摩擦面の塗装、マーキングの範囲、トルシア形ボルトのピンテール破断、寒冷時の中止判断が並びます。判断の決め手は、摩擦面に塗装をしてよいかどうかです。

引っかけの核心は、摩擦接合部の摩擦面に防錆塗装を行うとしているところです。摩擦面はすべり係数を確保するため、塗装しない面とします。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが誤っている記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 座金との接触面のまくれを、ディスクグラインダー掛けで取り除き平らに仕上げるのは適切です。
2 ×(最も不適当) 摩擦接合部の摩擦面には防錆塗装を行いません。すべり係数を確保するため、塗装しない面とします。
3 ○(正しい) 一次締め終了後のマーキングを、ボルト軸からナット・座金・母材(添え板)にかけて行うのは適切です。
4 ○(正しい) トルシア形高力ボルトの締付け検査で、ピンテールが破断したものを合格とするのは適切です。
5 ○(正しい) 気温0℃以下で接合部に着氷のおそれがあったので、締付け作業を中止するのは適切です。

選択肢2は、摩擦面に防錆塗装を行うとした点が誤りで、摩擦面はすべり係数を確保するため塗装しません。

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選択肢2のポイント

高力ボルト摩擦接合は、ボルトを強く締めて生じる板と板の摩擦力で応力を伝えます。この摩擦力の大きさは、接触面のすべり係数で決まります。

摩擦面に防錆塗装をすると、塗膜がすべりやすい層になってすべり係数が下がり、設計どおりの力を伝えられません。だから摩擦面には塗装を行いません。

正しくは、摩擦面を所定のすべり係数が得られる赤錆面や、ブラスト処理による粗面としておきます。選択肢2の「防錆塗装を行う」は、この原則に反するため誤りです。

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覚え方

  • 高力ボルト摩擦面には防錆塗装をしない(すべり係数を確保する)
  • 摩擦面は赤錆面やブラスト処理の粗面とし、所定のすべり係数を得る
  • マーキングはボルト軸からナット・座金・母材にかけて行う/トルシア形はピンテール破断で合格
  • 気温0℃以下で着氷のおそれがあれば締付けを中止する

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理解度チェック

Q.

高力ボルト摩擦接合部の摩擦面には、防錆のため塗装を行ってよい。〇か×か。

×。摩擦面はすべり係数を確保するため塗装しません。赤錆面や粗面とします。

Q.

トルシア形高力ボルトの締付け検査では、ピンテールが破断したものを合格としてよい。〇か×か。

。ピンテールの破断は所定の締付けが行われた証しです。破断したものを合格とするのは適切です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(建築施工)問題」
  • 摩擦面の処理(防錆塗装を行わずすべり係数を確保)・締付け検査(トルシア形はピンテール破断で合格):JASS 6 鉄骨工事
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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