建築学生が学ぶ構造力学

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平成28年度 一級建築士 構造 No.8を解説、弾性座屈荷重に関する誤りを見抜くポイント

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平成28年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.8は、柱の弾性座屈荷重に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

弾性座屈荷重Peが、支持条件・ヤング係数・断面の性質でどう変わるかが問われます。決め手は、Peが断面のどの量に比例するかです。

引っかけの核心は、弾性座屈荷重を「断面積に比例する」としているところです。Pe=π²EI/lk² で、Peは断面二次モーメントIに比例します。断面積ではありません。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 弾性座屈荷重は、両端ピンより両端固定のほうが大きくなります。座屈長さが短くなるためです。正しい記述です。
2 ○(正しい) 柱頭の水平移動が自由な場合より拘束された場合のほうが、弾性座屈荷重は大きくなります。正しい記述です。
3 ○(正しい) 弾性座屈荷重は、材料のヤング係数Eに比例します。正しい記述です。
4 ×(最も不適当) 弾性座屈荷重は断面二次モーメントに比例します。断面積に比例する、とする点が誤りです。

選択肢4は、弾性座屈荷重が断面積に比例するとした点が誤りで、正しくは断面二次モーメントIに比例します。

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選択肢4のポイント

柱の弾性座屈荷重(オイラー座屈荷重)は、Pe=π²EI/lk² で表します。Eはヤング係数、Iは断面二次モーメント、lkは座屈長さです。分子にIがあり、分母にlkの2乗があります。

したがって、Peはヤング係数Eと断面二次モーメントIに比例し、座屈長さlkの2乗に反比例します。断面積そのものではなく、断面の曲がりにくさを表すIが効きます。

選択肢4は「断面積に比例する」としていますが、正しくは断面二次モーメントIに比例します。「座屈は断面積でなくI」と押さえておけば、このすり替えは見抜けます。

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覚え方

  • 弾性座屈荷重Pe=π²EI/lk²。Peは断面二次モーメントIに比例(断面積ではない)
  • Peはヤング係数Eに比例する
  • Peは座屈長さlkの2乗に反比例する
  • 両端固定・柱頭拘束ほど座屈長さが短く、座屈荷重は大きい

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理解度チェック

Q.

柱の弾性座屈荷重は、断面積に比例する。〇か×か。

×。弾性座屈荷重は断面二次モーメントIに比例します(Pe=π²EI/lk²)。

Q.

弾性座屈荷重は、座屈長さに対してどう変化するか。

座屈長さlkの2乗に反比例します。座屈長さが短いほど座屈荷重は大きくなります。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成28年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 弾性座屈荷重(Pe=π²EI/lk²、断面二次モーメントに比例、ヤング係数に比例、座屈長さの2乗に反比例):オイラーの座屈公式ほか。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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