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座屈長さとは、部材が座屈する部分の長さです。
座屈とは、細長い部材に圧縮力が作用するとき、荷重がある限界を超えると急にグニャと横方向に曲がり、急激な耐力低下が起きる現象です。
一見「座屈長さって部材長さと同じじゃないの?」と思いそうですが違います。
「部材が座屈する部分の長さ」と、やや回りくどい書き方をしたのはそのためです。
座屈長さは「部材の支持条件(部材端部の境界条件)」で変わります。
たとえば、部材の両端を緩く止めている場合と、両端をガッチリ固定した場合では「ガッチリ固定した方が、座屈する部分の長さ(座屈長さ)は短く」なります。
これは、座屈現象が部材の剛性に影響するためです。
簡単にいうと「かたい部材ほど座屈しにくい、柔らかい部材ほど座屈しやすい」のです。
よって、支持条件(端部の境界条件)を「より固く拘束」することで部材の剛性が高くなるので「座屈長さは短く」なります。
座屈長さは一級建築士試験でも問われることの多い問題です。
また、端部の拘束度合い(固定度)により座屈長さは6通りあるので、分かりにくい、難しいと感じる方も多いようです。
そこで今回は、座屈長さの意味と考え方、求め方について、専門家がわかりやすく解説します。
座屈長さとは、部材が座屈する部分の長さです。
部材長さが同じでも、部材端部の固定度合い(固定度)により「座屈長さは変化」します。
部材端部の固定度に応じて変化する座屈長さを求めるための係数を「座屈長さ係数」といいます。
よって、座屈長さの求め方は下記の通りです。
上記の通り、Lは部材長さ(支点間距離)、座屈長さの記号はLk、座屈長さ係数はKで表します。また、座屈長さの単位は [mm]、[cm]です。
支点で座屈は起きませんので、部材長さLは支点間の距離(支点間距離)とも言えます。
もう1つ大切なことは断面の方向です。
下図をみてください。座屈は断面の弱い軸方向に生じます。左図の場合、X軸とY軸で部材長さは同じです。
しかし、右図ではX軸方向に支点が配置されているので、座屈長さはX軸とY軸で変わります。
断面のX軸、Y軸のどちらに座屈するかは、座屈長さLx、Lyと断面のかたさにより決定します。
左図の場合、座屈長さLx=Lyかつ、断面の剛性はY軸回りの方が明らかに小さいので、座屈はX軸方向に生じます。
右図の場合、X軸方向に支点があるので座屈長さは短くなります。
一方で、断面の剛性は小さいので「細長比(座屈長さと断面のかたさの比率)」を計算して、細長比が大きい軸方向の値を採用して、許容圧縮応力度等の算定に用います。
λ:細長比 Lb:座屈長さ i:断面二次半径
座屈長さは端部の固定度に応じて下記の値をとります。ややこしいのが「水平移動の拘束の有無」により座屈長さが変わる点です。
一般に、支点の水平移動が無い場合の座屈長さは下記です。
支点の水平移動が自由な場合の座屈長さの係数は下図となります。
一見、同じ支持条件でも「支点の水平移動の有無」により、座屈長さは大きく変わります。
一級建築士試験でも問われることの多い問題ですが「支点の水平移動の有無」を見落とししないように注意したいですね。
さらに、一級建築士試験ではラーメン構造や、ブレース構造の座屈長さについて問われることがあります。
座屈長さがややこしいのはラーメン構造やブレース構造の問題のときです。水平移動の有無、支持条件を下記に整理しました。
■水平移動の有無
■端部の境界条件(支持条件)※ラーメン構造、ブレース構造で共通
上記より、水平移動の有無、支持条件の固定と自由の組合せにより、前述した表から座屈長さを選びます。
実際にラーメン構造の座屈長さを計算しましょう。支点は固定、面外方向の座屈はしないと考えます。
ラーメン構造の柱は、水平移動が自由です。かつ、柱と梁は剛接合で柱脚は固定です。
水平移動がある場合の「両端固定」の座屈長さを選べば良いので「座屈長さ=L=4000mm」です。
今回は座屈長さについて説明しました。座屈長さとは、部材が座屈する部分の長さです。
座屈長さは
が重要で、上記の組合せにより座屈長さの値が大きく変わる点に注意したいですね。座屈の意味、座屈長さ係数の詳細など下記も勉強しましょう。
座屈長さの係数とは?1分でわかる意味、値、覚え方、公式と求め方
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