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長い柱は圧縮荷重によって材料の圧縮強度よりも低い荷重で破断してしまう場合があります。このような現象を座屈といい、座屈を起こした時の荷重を座屈荷重と呼んでいます。座屈には以降に取り扱う、「棒の曲げ座屈」の他にも板の座屈、シェルの座屈など、現在でも活発な研究がおこなわれています。
「そもそも座屈ってなに?」という方は下記の記事を参考にしてください。
今回はオイラー座屈の意味や、オイラー座屈荷重の式を誘導します。
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オイラー座屈とは、細長い部材(柱)が圧縮力により横に飛び出し、急激な耐力低下を起こす現象です。プラスチック製のものさしを両手でつまむと、急に「ぐにゃ」となると思います。あの現象が「座屈」です。
オイラー座屈の座屈荷重は、下式で計算します。
Pcrは座屈荷重(座屈耐力ともいう)Eはヤング係数、Iは断面二次モーメント、Lkは座屈長さ(Lk=α×Lで、αは境界条件に応じた係数、Lは支点間距離)です。単位はNまたはkNです。本式の導出や、Lkの詳しい意味は下記の記事が参考になります。
この式から分かるように、座屈荷重(座屈に抵抗する耐力)は圧縮強度とは無関係です。部材の材質、断面性能、柱の長さ、境界条件で決まります。細長い柱より、太い柱の方が座屈荷重は大きいです。また、木造より鉄骨造の方が、長い柱より短い柱の方が座屈荷重が大きくなります。
また、前述した座屈荷重を部材の断面積で除した値を「座屈応力(座屈応力度)」といい、下式で表します。
座屈応力度を求める式では、変数が細長比λのみとなりました。λが大きいほど座屈応力度は小さくなります。実務では、わざわざオイラー座屈の式を計算しません。部材の細長比を計算し、それに見合った許容圧縮応力度を早見表で選びます。
下図はλと柱のプロポーションを示しています。λが小さくなると、柱が太いですよね。直感的に「λが小さくなると座屈に対して強くなる」ことが理解できると思います。
詳しい式の説明や導出は、下記の記事が参考になります。
さて、次の図を見てください。この長柱に圧縮荷重を作用させた場合の状態です。この柱は座屈を起こし、yの変形をおこしているとします。この状態で弾性曲線式を解き、座屈荷重を求めましょう。
弾性曲線式は以下のように示されます。
曲げモーメントは
M=py
です。よって、
計算を行いやすくするために、
とします。このような微分方程式(斉次方程式)を解く場合、解のyを以下のように仮定して解きます。
つまり、この微分方程式の固有値は以下のようにして求めることができます。
ですね。さて、初めに仮定した解にλを代入します。解は2つ存在するので、2つを代入し足し合わせたものがyとなりますね。
このままでも解となるわけですが、分かりにくいので以下のように変形します。
さて、オイラーの公式を考えましょう。オイラーの公式とは、eの関数と三角関数をマクローリン展開によって関係づけた式です。以下のように、
です。つまり、
ですから結局、yの式は以下のように示すことが出来ます。
A及びBは定数なので、(A+B),i(A+B)を改めてA、Bと書きなおします。
以上のように、座屈の方程式は次のように示されます。
さて、目的は座屈荷重を求めることです。まずは境界条件によって定数を求めましょう。
境界条件は
x=0,y1=0
x=L,y2=0
です。B=0では方程式が全て0となり意味の無い式となるので、
(n =1,2…)となります。
よって、以上のことから座屈の式は
です。ここで、
であったのでPの形に直して整理すると、
座屈が始まるときの荷重を求めたいので、nが最小の値である(n=1)として、座屈荷重を決定します。よって、
が「座屈荷重」となります。
支点が変われば境界条件も変わり座屈荷重も異なります。ほかにも「片持ち梁」、「両端固定」、「片側ピン、片側固定端」などの支点条件で座屈荷重を求めてみましょう。
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