建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 構造 No.21を解説、地盤及び基礎に関する誤りを見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.21は、地盤及び基礎に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

直接基礎の根入れ深さと隣接建築物、杭頭の固定度と曲げモーメント、支持層が傾斜する地盤の杭、地盤沈下と負の摩擦力が問われます。決め手は、杭頭の固定度を大きくすると杭頭の曲げモーメントがどう変わるかです。

引っかけの核心は、杭の長さが長い場合に「杭頭の固定度が大きくなるほど、杭頭の曲げモーメントは小さくなる」としているところです。固定度が大きいほど、杭頭には大きな曲げモーメントが生じます。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 直接基礎の許容応力度の算定で根入れ深さDfを評価する場合、隣接する建築物の影響を考慮する必要があります。正しい記述です。
2 ×(最も不適当) 杭頭の固定度が大きくなるほど、杭頭の曲げモーメントは大きくなります。小さくなる、とする点が誤りです。
3 ○(正しい) 支持層が傾斜する地盤で長い杭と短い杭を混用すると、各杭の負担水平荷重の差異やねじれが生じやすくなります。正しい記述です。
4 ○(正しい) 地盤沈下のおそれのある敷地で支持杭を採用する場合、負の摩擦力による杭の支持力や沈下量を検討します。正しい記述です。

選択肢2は、杭頭の固定度が大きくなるほど杭頭の曲げモーメントが小さくなるとした点が誤りで、固定度が大きいほど大きくなります。

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選択肢2のポイント

杭頭の固定度とは、杭の頭を基礎(フーチング)がどれだけ回転させないように押さえているかの度合いです。剛結に近いほど固定度が大きく、ピンに近いほど固定度が小さくなります。

杭頭を強く固定する(固定度を大きくする)と、地震時に杭頭が回転しにくくなる代わりに、杭頭に大きな曲げモーメントが集中します。逆に固定度を小さく(ピンに近く)すれば、杭頭の曲げモーメントは小さくなりますが、その分、杭の中間部の曲げモーメントや杭頭の変位が大きくなります。つまり固定度が大きいほど杭頭曲げモーメントは大きくなります。

選択肢2は、固定度が大きいほど杭頭の曲げモーメントが小さくなるとしていますが、関係はで誤りです。「杭頭を固定するほど、杭頭の曲げモーメントは大きい」と押さえます。

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覚え方

  • 杭頭の固定度が大きいほど、杭頭の曲げモーメントは大きくなる(ピンに近いほど小さい)
  • 直接基礎の根入れ深さDfの評価は、隣接建築物の影響を考慮
  • 支持層が傾斜する地盤で長短の杭を混用すると、負担水平荷重の差異・ねじれが生じやすい
  • 地盤沈下のおそれの敷地の支持杭は、負の摩擦力による支持力・沈下量を検討

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理解度チェック

Q.

杭の長さが長い場合、杭頭の固定度が大きくなるほど杭頭の曲げモーメントは小さくなる。〇か×か。

×。固定度が大きいほど杭頭の曲げモーメントは大きくなります。ピンに近いほど小さくなります。

Q.

地盤沈下のおそれがある敷地で支持杭を採用する場合、何を検討するか。

負の摩擦力による杭の支持力や沈下量を検討します。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 地盤及び基礎(杭頭の固定度が大きいほど杭頭曲げモーメントは大きい、根入れ深さと隣接建築物、支持層傾斜と杭、負の摩擦力):建築基礎構造設計指針(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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