建築学生が学ぶ構造力学

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平成30年度 一級建築士 構造 No.20を解説、基礎の設計に関する誤りを見抜くポイント

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平成30年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.20は、土質柱状図の地盤における基礎の設計に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

直接基礎の沈下検討、パイルド・ラフト基礎の沈下、杭基礎の負の摩擦力、液状化層の水平地盤反力係数の低減が問われます。決め手は、パイルド・ラフト基礎で沈下量の検討を省略できるかどうかです。

引っかけの核心は、摩擦杦と直接基礎を組み合わせたパイルド・ラフト基礎で「摩擦杭の効果により沈下を抑えられることから、沈下量の検討を省略できる」としているところです。沈下を抑えられても、沈下量の検討そのものは省略できません。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 細砂層を支持地盤とする直接基礎(べた基礎)では、細砂層の検討に加え、下部の粘性土層の許容応力度と圧密沈下量の検討も行います。正しい記述です。
2 ×(最も不適当) パイルド・ラフト基礎で摩擦杭により沈下を抑えられるとしても、沈下量の検討は省略できません。省略できる、とする点が誤りです。
3 ○(正しい) 砂礫層を支持地盤とする杭基礎では、上部の粘性土層における負の摩擦力の検討を行います。正しい記述です。
4 ○(正しい) 細砂層が液状化するおそれがあると判定されたときは、液状化層の水平地盤反力係数を低減して杭を設計します。正しい記述です。

選択肢2は、パイルド・ラフト基礎で沈下量の検討を省略できるとした点が誤りで、沈下を抑えられても検討そのものは必要です。

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選択肢2のポイント

パイルド・ラフト基礎は、べた基礎(ラフト)と杭を組み合わせ、両方で建物を支える基礎です。杭が沈下を抑える働きをするので、沈下対策として有効です。

ただし、沈下を「抑えられる」ことと、沈下量の検討を「省略できる」ことは別です。ラフトと杭がどう荷重を分担し、全体でどれだけ沈下するかは、簡単には決まりません。むしろ両者の相互作用を考えた沈下量の検討が必要で、想定内に収まることを確かめます。

選択肢2は、沈下を抑えられるから検討を省略できるとしていますが、これは検討の省略の可否を取り違えており誤りです。「パイルド・ラフト基礎でも、沈下量の検討は省略できない」と押さえます。

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覚え方

  • パイルド・ラフト基礎でも、沈下量の検討は省略できない(沈下を抑えることと検討の省略は別)
  • 直接基礎でも、下部に粘性土層があれば圧密沈下量を検討
  • 砂礫層支持の杭は、上部粘性土層の負の摩擦力を検討
  • 液状化のおそれ→液状化層の水平地盤反力係数を低減して杭を設計

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理解度チェック

Q.

パイルド・ラフト基礎は摩擦杭で沈下を抑えられるため、沈下量の検討を省略できる。〇か×か。

×。沈下を抑えられても、沈下量の検討は省略できません。ラフトと杭の相互作用を考えた検討が必要です。

Q.

砂礫層を支持地盤とする杭基礎で、上部の粘性土層について検討すべき力は何か。

負の摩擦力です。粘性土層の沈下により、杭を下向きに引きずる力が生じます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成30年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 基礎の設計(パイルド・ラフト基礎でも沈下量の検討は省略不可、直接基礎下の圧密沈下、負の摩擦力、液状化層の水平地盤反力係数の低減):建築基礎構造設計指針(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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