建築学生が学ぶ構造力学

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令和元年度 一級建築士 構造 No.12を解説、RCの梁に関する誤りを見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.12は、鉄筋コンクリート構造の梁に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

最小あばら筋比の目的、あばら筋の許容応力度、上端筋と下端筋の付着、圧縮鉄筋の役割が問われます。決め手は、最小あばら筋比が何のひび割れに備えた規定かです。

引っかけの核心は、最小あばら筋比を「曲げひび割れの発生に伴う急激な剛性低下を防ぐため」としているところです。あばら筋はせん断補強筋なので、備えるのはせん断ひび割れです。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(最も不適当) 最小あばら筋比は、せん断ひび割れの発生後の急激な耐力・剛性低下を防ぐための規定です。曲げひび割れのため、とする点が誤りです。
2 ○(正しい) せん断補強筋(あばら筋)の長期許容応力度には上限があり、SD295AからSD345に変えても大きくはなりません。正しい記述です。
3 ○(正しい) 許容付着応力度は、コンクリート打込み時のブリーディングの影響で、下端筋より上端筋のほうが小さくなります。正しい記述です。
4 ○(正しい) 圧縮側の主筋は、長期荷重によるクリープたわみを抑制する効果があります。正しい記述です。

選択肢1は、最小あばら筋比を曲げひび割れに備えた規定とした点が誤りで、正しくはせん断ひび割れ後の急激な低下を防ぐための規定です。

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選択肢1のポイント

あばら筋(スターラップ)は、梁の主筋を取り囲むように配置するせん断補強筋です。梁に斜めに入るせん断ひび割れをまたいで、ひび割れが開くのを抑えます。

せん断ひび割れが入った瞬間、あばら筋がないと梁は急にせん断耐力を失い、脆く壊れます。これを避けるため、たとえせん断力が小さくても最低限の量を入れるよう、最小あばら筋比(0.2%以上)が定められています。つまり備えているのはせん断ひび割れであって、曲げひび割れではありません。

選択肢1は「曲げひび割れの発生に伴う急激な剛性低下を防ぐため」としています。曲げとせん断を取り違えており、最も不適当です。「あばら筋=せん断補強、最小規定はせん断の脆性破壊対策」と押さえます。

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覚え方

  • 最小あばら筋比(0.2%以上)は、せん断ひび割れ後の急激な耐力低下(脆性破壊)を防ぐ規定
  • あばら筋=せん断補強筋。曲げに効くのは主筋
  • せん断補強筋の許容応力度には上限があり、鋼種を上げても増えない
  • 上端筋の許容付着応力度は、ブリーディングの影響で下端筋より小さい

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理解度チェック

Q.

最小あばら筋比は、曲げひび割れに伴う急激な剛性低下を防ぐための規定である。〇か×か。

×。あばら筋はせん断補強筋なので、備えるのはせん断ひび割れ後の急激な低下です。

Q.

上端筋と下端筋では、許容付着応力度はどちらが小さいか。

上端筋です。打込み時のブリーディングで鉄筋下面に水が溜まり、付着が劣るためです。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • RCの梁(最小あばら筋比はせん断ひび割れ後の急激な低下防止、せん断補強筋の許容応力度の上限、上端筋の付着、圧縮鉄筋とクリープたわみ):鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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