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許容付着応力度とは?1分でわかる意味、計算式、上端筋の値、コンクリートとの関係

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許容付着応力度(きょようふちゃくおうりょくど)とは、建築では主に「コンクリートが、どのくらいまで付着応力度を許容できるか」示す値です。例えば許容付着応力度=1.6N/m㎡(長期)のとき、コンクリートに生じる付着応力度が1.4N/m㎡ならOKということです。逆に1.7N/m㎡なら許容付着応力度を超えているのでNGです。また、許容付着応力度は重ね継手長さの計算式にも含まれます。なお「付着割裂」の検討で用いる許容応力度とは異なります。


今回は許容付着応力度の意味、計算式、上端筋の値、コンクリートとの関係について説明します。付着の意味、重ね継手長さの計算は下記が参考になります。

付着とは?1分でわかる意味、読み方、付着強度、定着との違い、建築との関係、付着割裂破壊

重ね継手の長さの計算は?1分でわかる計算、異径の場合の計算、d35の値

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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許容付着応力度とは?計算式、上端筋の値

許容付着応力度の計算式を下表に示します。

長期 短期
上端筋 その他の鉄筋
異形鉄筋 1/15Fcかつ(0.9+2/75Fc)以下 1/10Fcかつ(1.35+1/25Fc)以下 長期に対する値の1.5倍
丸鋼 4/100Fcかつ0.9以下 6/100Fcかつ1.35以下

上表の通り、許容付着応力度の値はコンクリートの設計基準強度Fc、鉄筋の位置が関係します。


上端筋とその他の鉄筋を比較すると「上端筋の方が、許容付着応力度が小さい」ことが分かります。これはコンクリートを打設した後、上端筋周りのコンクリートが重力の影響で沈下し、付着性能が低下するなどが理由です。


許容付着応力度は、付着の検討や重ね継手長さの計算に用います。詳細は下記や鉄筋コンクリート構造計算規準をご覧ください。

重ね継手の長さの計算は?1分でわかる計算、異径の場合の計算、d35の値

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説

許容付着応力度とコンクリートの関係

許容付着応力度はコンクリートの設計基準強度に関係する値です。設計基準強度Fcが大きいと許容付着応力度も大きくなります。前述した計算式を元に許容付着応力度を計算しましょう。


長期、Fc=24、上端筋の許容付着応力度

 ⇒ Fc/15=24/15=1.6N/m㎡ かつ (0.9+2Fc/75)=(0.9+2*24/75)=1.54以下


上記より許容付着応力度=1.54以下となります。

まとめ

今回は許容付着応力度について説明しました。許容付着応力度とは、コンクリートがどのくらいまで付着応力度を許容できるか示す値です。コンクリートの設計基準強度Fcが関係します。下記も併せて勉強しましょう。

設計基準強度と品質基準強度の違いと、5分で分かるそれぞれの意味

重ね継手の長さの計算は?1分でわかる計算、異径の場合の計算、d35の値

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