建築学生が学ぶ構造力学

建築学生が学ぶ構造力学
  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 一級建築士 構造
  4. 令和2年
  5. > No.26 構造設計・耐震補強

令和2年度 一級建築士 構造 No.26を解説、構造設計及び耐震補強に関する誤りを見抜くポイント

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

令和2年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.26は、建築物の構造設計及び耐震補強に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

先に一つだけ。独学の効率に不安があるなら、スキマ時間で回せるスタディングの建築士講座を無料で試すのが早いです(スマホ完結・大手の約1/10)。

この問題のポイント

プレストレスの減少率、CFT柱の性能、露出柱脚のせん断耐力、炭素繊維巻き付け補強が問われます。判断の決め手は、CFT柱が中空鋼管に比べて塑性変形性能がどうなるかです。

引っかけの核心は、コンクリート充填鋼管(CFT)柱の塑性変形性能を、中空鋼管より「低い」としているところにあります。実際は逆で、充填コンクリートが鋼管の局部座屈を抑えるため高くなります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

建築構造ポケットブック

建築構造ポケットブック

構造は数値や公式が多い分野です。高さ・面積・荷重・断面などを1冊で引けると、問題演習の確認が早くなります。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) クリープ等によるプレストレスの減少率は、プレテンション方式に比べてポストテンション方式のほうが小さくなります。
2 ×(誤り) CFT柱は、中空鋼管に比べて剛性が高いだけでなく、塑性変形性能も高くなります。低いは誤りです。
3 ○(正しい) 露出柱脚の最大せん断耐力は、摩擦による耐力とアンカーボルトの耐力の、いずれか大きいほうとします。
4 ○(正しい) 柱への炭素繊維巻き付けは、せん断耐力や靱性は高めますが、曲げ耐力を大きくする効果はありません。

選択肢2は、CFT柱の塑性変形性能を低いとした点が誤りで、充填コンクリートが局部座屈を抑えるため高くなります。

独学だと、こういう論点の背景を一つずつ調べるだけで時間が溶けます。要点を絞った講義で効率よく進めたいなら、スタディングの建築士講座(スマホ完結・大手の約1/10)を無料で試せます。

選択肢2のポイント

コンクリート充填鋼管(CFT)柱は、鋼管の中にコンクリートを詰めた柱です。鋼管とコンクリートが互いの弱点を補い合うのが特徴です。

鋼管だけの中空柱は、強い力を受けると管の壁が局部座屈(部分的なへこみ)を起こして急に耐力が落ちます。CFTでは内側のコンクリートが壁を内から支えるため、この局部座屈が起こりにくくなります。逆にコンクリートは、外側の鋼管に拘束されて押しつぶれにくくなります。

この補い合いで、CFT柱は剛性が高いだけでなく、塑性変形性能(粘り)も中空鋼管より高くなります。選択肢2は「塑性変形性能は低い」としていますが、関係がです。なお選択肢4のとおり、炭素繊維巻き付けは柱を拘束してせん断耐力と靱性は高めますが、主筋を足すわけではないので曲げ耐力は上がりません。

構造を得点源にするなら、科目別おすすめ本(構造力学)一級のおすすめ参考書・問題集もあわせてどうぞ。独学での進め方は建築士は独学で合格できる?で整理しています。

覚え方

  • CFT柱は中空鋼管より、剛性も塑性変形性能(靱性)も高い(充填コンクリートが局部座屈を抑える)
  • 露出柱脚の最大せん断耐力は、摩擦とアンカーボルトの「いずれか大きいほう」(足し算ではない)
  • 柱への炭素繊維巻き付けは、せん断耐力・靱性は上がるが曲げ耐力は上がらない

通勤や休憩のスキマ時間だけで学習を進めたいなら、スタディングの建築士講座が向いています。合格に必要な範囲に絞ったスマホ講義で、独学の遠回りを減らせます(無料お試しあり)。

理解度チェック

Q.

CFT柱は、同じ断面の中空鋼管柱に比べて、剛性は高いが水平力に対する塑性変形性能は低い。〇か×か。

×。CFT柱は、充填コンクリートが鋼管の局部座屈を抑えるため、剛性も塑性変形性能も中空鋼管より高くなります。

Q.

RC造の柱への炭素繊維巻き付け補強は、柱の曲げ耐力を大きくする効果が期待できる。〇か×か。

×。炭素繊維巻き付けは柱を拘束してせん断耐力・靱性を高めますが、曲げ耐力を大きくする効果はありません。

令和2年 一級建築士 構造 過去問解説 一覧へ

出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 構造設計及び耐震補強(CFT柱の剛性と塑性変形性能、露出柱脚の最大せん断耐力、炭素繊維巻き付け補強、プレストレスの減少率):各種合成構造設計指針・鋼構造接合部設計指針・既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震改修設計指針(日本建築学会・日本建築防災協会)
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

Topへ >>