この記事の要点
せん断耐力とは、部材がせん断力に抵抗できる最大の力であり、コンクリートの圧縮強度・部材断面・せん断補強筋量などによって決まる。
せん断耐力の計算式はコンクリート分と鉄筋分の合計で求められ、せん断破壊を防ぐために曲げ耐力より大きく設計することが原則である。
この記事では、せん断耐力とは何か、せん断耐力の単位は何かを整理します。
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せん断耐力とは、部材のせん断力に対する抵抗力です。せん断力による破壊(せん断破壊)は、脆性破壊の1つで、避けたい壊れ方です。
特に、鉄筋コンクリート部材はせん断破壊に注意します。今回は、せん断耐力の意味、求め方、コンクリートのせん断耐力の式、単位について説明します。
せん断耐力とは、せん断力に対する抵抗力です。せん断耐力が大きいほど、せん断破壊に対する抵抗性が高まります。せん断破壊は、脆性破壊の1つで避けるべきです。※脆性破壊は、下記が参考になります。
鉄筋コンクリート構造は、特に、せん断破壊に注意します。せん断強度が小さく、構造部材以外の影響で剛性が変わり、せん断力が集中しやすいからです。
特に、
・スパン(高さ)の小さい部材
・荷重の大きな部材
・雑壁が取り付く部材
などは注意が必要です。特に、雑壁が取り付く柱や梁は、急激に剛性が上昇し、せん断力が集まります。
の関係にならないことを確認しましょう。鉄筋コンクリート部材は、せん断補強筋により、せん断耐力を高めることが可能です。せん断補強筋には、帯筋、あばら筋があります。下記が参考になります。
帯筋とは?1分でわかる帯筋の意味、読み方、役割、間隔、帯筋比との関係
あばら筋とは?梁のせん断補強筋の役割・間隔・あばら筋比を解説
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せん断耐力の単位は、
kN
N
です。せん断力に対する抵抗力なので、せん断力の単位と同じです。※せん断力の意味は、下記が参考になります。
せん断耐力の読み方は、「せんだんたいりょく」です。
鉄筋コンクリートのせん断耐力は、下式で求めます。
Qaがせん断耐力、bは幅、jは応力中心距離、αはせん断スパン比、fsはコンクリートの許容せん断応力度、ftはせん断補強筋の引張強度、pwはあばら筋比です。
なお、長期時のせん断耐力を求める時は、せん断補強筋の効果を省略することが多いです。よって、
です。部材の断面のみで、せん断耐力が決定されます。
短期時のせん断耐力は、鉄筋の効果を考え、fsの値を、長期時の値より1.5倍します。
混同しやすい用語
せん断強度(せんだんきょうど)
コンクリートや部材がせん断力に抵抗できる単位面積当たりの最大応力(N/mm2)です。
せん断強度は材料・断面の単位面積当たりの強度(応力)を示すのに対して、せん断耐力は部材全体として抵抗できるせん断力の最大値(N、kN)を示すものであり、面積あたりの強度と部材全体の耐力という単位・概念の違いがあります。
曲げ耐力(まげたいりょく)
部材が曲げモーメントに対して抵抗できる最大の曲げモーメント値(kN・m)です。
曲げ耐力は曲げモーメントに対する部材の耐力を示すのに対して、せん断耐力はせん断力に対する部材の耐力を示すものであり、耐震設計では強柱弱梁の原則からせん断耐力が曲げ耐力を上回るよう設計します。
せん断耐力を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義 | せん断力に対する抵抗力 | 脆性破壊を防ぐために確保が必要 |
| 構成要素 | コンクリート寄与分+鉄筋寄与分 | Fc・有効高さdが大きいほど増加 |
| 設計方針 | せん断耐力>曲げ耐力を確保 | 曲げ破壊先行で粘り強さを確保 |
今回はせん断耐力について説明しました。せん断耐力は、せん断力に対する抵抗力です。
せん断破壊は、脆性破壊で避けるべきです。せん断破壊を避けるには、せん断耐力を高める必要があります。
鉄筋コンクリートのせん断耐力は、部材断面を大きくすること、せん断補強筋を増やす方法があります。帯筋、あばら筋は、下記が参考になります。
帯筋とは?1分でわかる帯筋の意味、読み方、役割、間隔、帯筋比との関係
あばら筋とは?梁のせん断補強筋の役割・間隔・あばら筋比を解説
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