建築学生が学ぶ構造力学

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平成30年度 二級建築士 構造 No.19を解説、RCの耐震診断・改修に関する誤りを見抜くポイント

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平成30年度 二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)No.19は、鉄筋コンクリート構造の既存建築物の耐震診断、耐震改修に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

第2次診断法の形状指標、あと施工アンカーとスパイラル筋、開口部閉塞・壁厚増、耐震スリット、柱の鋼板巻き立て・炭素繊維巻き付け補強が問われます。決め手は、鋼板巻き立て・炭素繊維巻き付け補強が高めるのは何かです。

引っかけの核心は、選択肢5「柱の鋼板巻き立て補強や炭素繊維巻き付け補強は、柱の曲げ耐力を高めることを目的としている」です。これらは柱を横方向に拘束し、せん断耐力と靱性(変形能力)を高めるのが目的です。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢5(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 第2次診断法では、形状の複雑さや剛性のアンバランスな分布が耐震性能に及ぼす影響を評価する形状指標を算出します。正しい記述です。
2 ○(正しい) あと施工アンカーによる補強壁の増設で、新設コンクリートの割裂防止のためアンカー筋周辺にスパイラル筋を設けるのが有効です。正しい記述です。
3 ○(正しい) 既存の耐震壁の開口部をふさぐ・壁厚を増すのは、保有水平耐力を増やす強度抵抗型の補強に適します。正しい記述です。
4 ○(正しい) 耐震スリットを設ける目的の一つは、せん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善することです。正しい記述です。
5 ×(不適当) 鋼板巻き立て・炭素繊維巻き付け補強はせん断耐力と靱性を高める目的です。曲げ耐力を高める目的とした点が誤りです。

選択肢5は、鋼板巻き立て・炭素繊維巻き付け補強を曲げ耐力向上が目的とした点が誤りで、せん断耐力と靱性を高める補強です。

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選択肢5のポイント

柱の鋼板巻き立て補強や炭素繊維巻き付け補強は、柱を外周から締め付けて、コンクリートを横方向に拘束します。これでせん断耐力が増し、粘り強さ(靱性)が向上します。

一方、柱の曲げ耐力を高めたい場合は、主筋を増やす・断面を増し打ちするなど、曲げに効く鉄筋やコンクリートを足す必要があります。巻き立て・巻き付けでは曲げ耐力はほとんど変わりません。

選択肢5は曲げ耐力向上が目的としていますが、実際はせん断耐力と靱性の向上が目的です。「巻き立て・巻き付けはせん断と靱性」と押さえます。

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覚え方

  • 柱の鋼板巻き立て・炭素繊維巻き付けはせん断耐力と靱性を高める(曲げ耐力向上が目的ではない)
  • 第2次診断法は形状指標で形状・剛性のアンバランスを評価
  • 開口部の閉塞・壁厚増は強度抵抗型の補強
  • 耐震スリットはせん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善

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理解度チェック

Q.

柱の鋼板巻き立て補強や炭素繊維巻き付け補強は、柱の曲げ耐力を高めることを目的としている。〇か×か。

×せん断耐力と靱性を高めることが目的です。

Q.

耐震スリットを設ける目的の一つは、どんな柱をどう改善することか。

せん断破壊型の柱を曲げ破壊型に改善します。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成30年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅲ(建築構造)問題」
  • RCの耐震診断・改修(鋼板巻き立て・炭素繊維巻き付けはせん断耐力と靱性、第2次診断法、耐震スリット):耐震改修促進法・耐震診断基準ほか。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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