建築学生が学ぶ構造力学

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令和2年度 二級建築士 構造 No.16を解説、鉄骨構造に関する誤りを見抜くポイント

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令和2年度 二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)No.16は、鉄骨構造に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

埋込み形式の柱脚の埋込み深さ、引張材の有効断面積、トラス弦材の座屈長さ、弱軸まわりの曲げと横座屈、H形鋼の梁の曲げとせん断の負担が問われます。判断の決め手は、H形鋼の梁で曲げとせん断をそれぞれどの部分が負担するかです。

引っかけの核心は、フランジとウェブの役割です。H形鋼の梁では、曲げモーメントをフランジ、せん断力をウェブが負担します。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢5(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 埋込み形式の柱脚は、一般に、柱幅(大きいほう)の2倍以上の埋込み深さを確保します。
2 ○(正しい) 引張材の有効断面積は、ボルト孔などの断面欠損を考慮して算出します。
3 ○(正しい) トラスの弦材の構面内の座屈長さは、一般に、節点間距離とすることができます。
4 ○(正しい) 弱軸まわりに曲げモーメントを受けるH形鋼の梁は、横座屈を考慮する必要はありません。
5 ×(不適当) H形鋼の梁は、曲げをフランジ、せん断をウェブで負担します。記述は逆です。

選択肢5は、曲げをウェブ・せん断をフランジで負担するとした点が誤りで、正しくは曲げをフランジ、せん断をウェブで負担します。

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選択肢5のポイント

H形鋼は、上下の水平な板であるフランジと、その間をつなぐ縦の板であるウェブからできています。梁として使うとき、曲げモーメントとせん断力を、それぞれどの部分が受け持つかが決まっています。

曲げモーメントは、断面の上下端で応力が最も大きくなります。上下に離れて位置するフランジは、この大きな応力を効率よく受けられるので、曲げはフランジが主に負担します。

一方、せん断力は断面の中央付近で大きくなります。中央にあるウェブがこれを受けるのに適しているので、せん断はウェブが主に負担します。

選択肢5は「曲げをウェブで、せん断をフランジで」と、役割を入れ替えており、ここが誤りです。正しくは曲げはフランジ、せん断はウェブです。

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覚え方

  • H形鋼の梁:曲げモーメントはフランジ(上下の板)、せん断力はウェブ(中央の板)が負担する
  • 埋込み形式の柱脚は柱幅の2倍以上の埋込み深さ/引張材の有効断面積はボルト孔の欠損を考慮
  • 弱軸まわりに曲げを受けるH形鋼の梁は、横座屈を考慮する必要はない

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理解度チェック

Q.

H形鋼を梁に用いる場合、曲げモーメントをウェブで、せん断力をフランジで負担させる。〇か×か。

×。役割が逆です。曲げモーメントはフランジ、せん断力はウェブが負担します。

Q.

断面の弱軸まわりに曲げモーメントを受けるH形鋼の梁については、横座屈を考慮する必要はない。〇か×か。

。弱軸まわりの曲げでは横座屈が生じないため、横座屈を考慮する必要はありません

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和2年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅲ(建築構造)問題」
  • H形鋼の梁(曲げはフランジ・せん断はウェブが負担)・鉄骨構造の設計:日本建築学会「鋼構造設計規準」
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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