この記事の要点
有効断面積とは、引張材の断面積のうち実際に力を負担できる部分の面積で、偏心曲げ・ボルト孔欠損・突出脚の無効分を差し引いた値である。
丸鋼ブレースの有効断面積は全断面積×0.75が目安。アングル材はボルト本数に応じて突出脚の無効長さが変わる(1本:h-t2、2本:0.7h…)。
ボルト本数を多くするほど無効長さが減り有効断面積が大きくなるため、引張材の設計ではなるべく多くのボルトを使うことが有利である。
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ブレースに用いる部材には、チャンネル(溝形鋼)やアングルがあります。チャンネルやアングルは、左右非対称の断面です。よってブレースに軸力が作用すると「偏心曲げ」が発生します。引張力が作用するブレースでは、偏心曲げの影響を考慮して「有効断面積」を用いて、断面算定を行うのです。今回は、断面積と有効断面積の違い、ブレースの断面算定について説明します。※チャンネル(溝形鋼)やアングル、ブレースについては、下記が参考になります。
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引張材の断面算定は、必ず有効断面積を使います。有効断面積とは、部材の実際の断面積よりも小さい値で、外力に対して「有効に負担する断面積」です。※引張材の断面算定については、下記が参考になります。
前述したように、チャンネルやアングル材によるブレースは、左右非対称の部材であるため偏心曲げを考慮し、実際の断面積より小さい値(すなわち有効断面積)を、断面算定に使います。さらに、ガセットプレートに取り付けるためボルトが必要ですが、穴の欠損分だけ断面積は少なくなります
また丸鋼ブレースでは、丸鋼のネジ部が切り欠いてあるため、断面積は小さくなります。
このような、見掛けの断面積に対して、実際の断面積を「有効断面積」と呼びます。さて、丸鋼の有効断面積は、
で、簡単です。では、アングル材の有効断面積は、どのように算定すれば良いでしょうか。※アングル材については、下記が参考になります。
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まず、アングル材は下図のようにガセットプレートに高力ボルトで接合します。ガセットプレートは柱梁に溶接します。
※ガセットプレートについては、下記が参考になります。
よって、穴により欠損した断面積を元のアングル材断面積から引きます。さらに、アングルやチャンネル材は、下図のように突出脚先端部を無視するという規定があります。この突出脚長さhnは接合するボルト本数が多ければ多いほど、控除する値が少なくなります。ですから、なるべく多くのボルトで留める方が、多くの有効断面積を取れるという意味でも有利なのです。
例えばアングル材のhn(突出脚長さ)は下記のように定められています。
どうですか?ボルト2本で留めていても、片面は7割も断面積が控除されてしまいます。ということは、元の断面積の6割くらいしか残っていないことになりますね。
さて、以上を踏まえるとアングル材の有効断面積は下式で算定できます。
Ajは有効断面積、Agは元の断面積、Adが穴の欠損断面積、hnは無視する突出脚長さ、tはアングル材の板厚です。
以上のように、アングル材の設計では思っているよりも有効断面積は小さくなります。元の断面積で計算した部材よりも1回り大きくなるかもしれませんので、忘れないように有効断面積を求めておきましょうね。
混同しやすい用語
有効断面積 vs 全断面積(毛断面積)
全断面積(毛断面積)はボルト孔や突出脚の控除を一切行わない断面積の合計値。有効断面積はそこからボルト孔欠損・突出脚の無効分を差し引いた値で、必ず全断面積より小さくなる。引張材の断面算定では必ず有効断面積を使う点に注意。
今回は断面積と有効断面積について説明しました。ブレースの断面算定の基本的な考え方ですから、覚えておきましょう。また、ブレースの保有耐力接合も大切な項目です。下記も併せて学習しましょう。
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試験での問われ方|管理人の一言
ボルト本数が多いほど突出脚の無効長さが短くなり有効断面積が大きくなります。実務では「とりあえず3本以上」を基本とし、突出脚1/2で概算する方法が便利です。また丸鋼ブレースは×0.75で覚えておくと計算が速くなります。