建築学生が学ぶ構造力学

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令和3年度 二級建築士 構造 No.23を解説、鋼材に関する誤りを見抜くポイント

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令和3年度 二級建築士試験 学科Ⅲ(建築構造)No.23は、鋼材に関する問題です。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

ヤング係数、熱伝導率、降伏比、高温時の強度、SD345が問われます。とくに温度による降伏点と引張強さの変化が判断の決め手です。

引っかけの核心は、高温時の降伏点です。鋼材の降伏点は、温度の上昇とともに低下していきます。最大になる温度帯はありません。一方、引張強さは250〜300℃付近で最大になります。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 鋼材は、炭素含有量が多くなっても、ヤング係数はほぼ同じ値になります。
2 ○(正しい) 鋼材の熱伝導率は、ステンレス鋼よりも大きくなります。
3 ○(正しい) 鋼材の降伏比(=降伏応力/引張強さ)は、小さいほうが降伏後の余力が大きくなります。
4 ×(誤り) 鋼材の降伏点が温度300〜400℃程度で最大になるとした点が誤り。降伏点は温度上昇とともに低下します。
5 ○(正しい) 異形棒鋼SD345の降伏点の下限値は、345N/mm²です。

選択肢4は、降伏点が300〜400℃で最大になるとした点が誤りで、降伏点は温度上昇とともに低下します。

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選択肢4のポイント

鋼材の高温時の性質では、引張強さと降伏点で変化のしかたが違います。引張強さは、250〜300℃付近でいったん常温より高くなり(青熱脆性)、それを超えると温度の上昇とともに低下します。

一方、降伏点は、温度の上昇とともに下がっていきます。最大になる温度帯はありません。一般構造用鋼材(SS材)では、約350℃で降伏点が常温の3分の2程度まで低下します。

選択肢4は「降伏点が300〜400℃程度で最大となる」としていますが、最大になるのは降伏点ではなく引張強さ(250〜300℃付近)で、降伏点は温度上昇とともに低下します。引張強さは250〜300℃で最大・降伏点は温度上昇で低下、と分けて押さえると見抜けます。

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覚え方

  • 鋼材の引張強さは250〜300℃付近で最大(青熱脆性)/降伏点は温度上昇で低下(最大になる温度帯はない)
  • 炭素含有量が増えてもヤング係数はほぼ同じ/鋼材の熱伝導率はステンレス鋼より大きい
  • 降伏比が小さいほど降伏後の余力が大きい/SD345の降伏点の下限値は345N/mm²

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理解度チェック

Q.

鋼材の降伏点は、温度が300〜400℃程度で最大となり、それ以上の温度で急激に低下する。〇か×か。

×。降伏点は温度上昇とともに低下します。250〜300℃付近で最大になるのは引張強さです。

Q.

鋼材の降伏比(=降伏応力/引張強さ)は、小さいほうが降伏後の余力が大きい。〇か×か。

。降伏比が小さいほど、降伏してから引張強さまでの余裕が大きく、粘りが期待できます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和3年度 二級建築士試験 学科の試験 学科Ⅲ(建築構造)問題」
  • 鋼材の引張強さは250〜300℃付近で最大・降伏点は温度上昇で低下(SS材は約350℃で常温の2/3)・ヤング係数と炭素量・熱伝導率・降伏比・SD345:鋼材の基本
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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