この記事の要点
ステンレス鋼は耐食性を付与した鋼で、クロムを多く含む特殊鋼です。
明確な降伏点を持たず、ひずみ0.1%時の応力度を降伏強度とみなす点が建築士試験で問われます。
この記事では、ステンレス鋼とは何かを整理します。
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ステンレス鋼とは、耐食性を付与した鋼のことです。普通の鋼に比べて、クロムの量を多くしています。今回はステンレス鋼の意味、特徴、線膨張係数、降伏点と降伏条件、引張強度について説明します。※鋼の種類、特殊鋼の意味は下記の記事が参考になります。
鋼材の種類は?種類一覧・用途と材質の特徴・記号(SS・SN・SM材の違い)
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ステンレス鋼は、耐食性を付与した鋼です。ステンレス鋼は、普通の鋼に比べてクロムの量を増やしています(およそ11%以上で錆びにくくなります)。
構造部材として使うことは少ないですが、仕上げ材の一部や、ルーバー、カーテンウオールなどに利用されます。ルーバーなどは、外気や雨に晒されるため、耐食性のあるステンレス鋼が、都合が良いです。
ステンレス鋼の特徴を下記に整理しました。
・錆びにくい(耐食性が高い)
・耐火性に優れる
・耐低温性がある
・溶接性に優れる
・高力ボルトによる摩擦接合も可能
一般の鋼にはない特性があります。耐食性が求められる場所で使う鋼材です。※耐食性が必要な鋼材には、溶融亜鉛メッキを施すことも多いです。溶融亜鉛メッキの意味は、下記の記事が参考になります。
溶融亜鉛メッキとは?すぐに分かる特徴や規格、溶融亜鉛メッキボルト
ステンレス鋼以外の特殊鋼(耐火鋼など)は、下記が参考になります。
ステンレス鋼の線膨張係数、降伏点、引張強度、降伏比を下記に示します(SUS304Aの場合)。
線膨張係数 ⇒ 1.7×10-5/℃
引張強度 ⇒ 520N/m㎡以上
降伏比 ⇒ 0.4 程度
ヤング係数 ⇒ 1.93×105N/m㎡
なお、SUS304Aを建築構造用ステンレス鋼といいます。基準強度は235でSN400と対応します。ヤング係数は、一般の鋼に比べてやや低いです(概ね同等)。
※ヤング係数の意味は下記が参考になります。
ヤング係数(弾性係数)とは?求め方と公式、単位、材料ごとの値【図解】
ステンレス鋼には明確な降伏点が存在しません。そこで、ひずみが0.1%時点の応力度を、降伏強度と考えます。
降伏比が規定されており、塑性変形を考慮した建物にも対応しています。※降伏比の意味は、下記が参考になります。
混同しやすい用語
普通鋼
普通鋼は炭素を主成分とした一般的な鋼材です。
ステンレス鋼がクロムを11%以上添加して耐食性を持つのに対して、普通鋼はクロムを多く含まず錆びやすい特性があります。
ステンレス鋼の特性を整理した表を示します。
| 項目 | ステンレス鋼 | 普通鋼 |
|---|---|---|
| 耐食性 | 高い(クロム11%以上) | 低い(錆びやすい) |
| ヤング係数 | 1.93×10?N/mm2 | 2.05×10?N/mm2 |
| 降伏点の定義 | ひずみ0.1%時の応力度 | 明確な降伏点あり |
今回はステンレス鋼について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
ステンレス鋼は、耐食性を付与した鋼材です。
外気に晒される箇所に使います。
例えば、ルーバーやカーテンウオールです。
柱や梁などの構造部材は、一般的に仕上げ材の中に隠れるので、ステンレス鋼を使うことは少ないですね。
下記の記事も併せて参考にしてください。
鋼材の種類は?種類一覧・用途と材質の特徴・記号(SS・SN・SM材の違い)
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、ステンレス鋼に明確な降伏点がなく、ひずみ0.1%時の応力度を降伏強度とみなすことや、線膨張係数・ヤング係数の値が問われます。(一級建築士 頻出:ステンレス鋼に明確な降伏点がなくひずみ0.1%時の応力度を降伏強度とすること・線膨張係数・ヤング係数の値が繰り返し出題)