この記事の要点
溶接接合とは、鋼材を高熱で溶かして一体化させる接合方法です。
鉄骨構造の接合方法には溶接接合と高力ボルト接合がありますが、溶接は剛接合に向き、部材を連続的に一体化できる点が特徴です。
溶接の種類は大きく「完全溶込み溶接」と「すみ肉溶接」の2種類に分けられます。
試験では、溶接欠陥の名称(アンダーカット・オーバーラップ・ブローホールなど)もあわせて整理しておきましょう。
この記事では、溶接接合とは何か、完全溶込み溶接とすみ肉溶接はどう違うのか、溶接欠陥にはどのような種類があるのかを整理します。
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溶接接合(ようせつせつごう)とは、鋼材を高熱で溶かして一体化させる接合方法です。
鉄骨構造の接合方法は、溶接接合と高力ボルト接合に大きく分けられます。今回は溶接接合の意味、完全溶込み溶接とすみ肉溶接の違い、溶接欠陥の種類について説明します。
鉄骨構造の基礎や接合方法の概要については、下記も参考にしてください。
高力ボルト接合とは?1分でわかる意味、摩擦接合、支圧接合との違い
溶接接合は、鋼材を溶かして一体化させる接合方法です。溶接した部分を溶接部(ようせつぶ)と呼びます。
溶接接合の特徴を押さえておきましょう。
ここは覚えやすいですね。溶接はボルトのように「穴」を開けないので断面を弱めません。ただし、施工管理をしっかり行わないと欠陥が残りやすいという点も重要です。
溶接の種類は主に以下の2種類に分けられます。まずは、この2種類の違いを押さえましょう。
完全溶込み溶接とは、母材の全断面にわたって溶接金属が溶込む溶接方法です。グルーブ溶接とも呼ばれます。
柱と梁のフランジ接合など、高い強度が要求される箇所に使われます。開先(かいさき)と呼ばれる溝を設けて溶接するため、施工に手間がかかりますが、接合強度が高くなります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 溶込み深さ | 母材の全断面(板厚全体) |
| 別名 | グルーブ溶接 |
| 主な用途 | 柱・梁フランジの接合など高強度が必要な箇所 |
| 特徴 | 開先加工が必要、接合強度は高い |
すみ肉溶接とは、2つの母材の表面に三角形断面の溶接金属を盛り付ける溶接方法です。フィレット溶接とも呼ばれます。
ウェブの接合や、補強プレートの取り付けなど、完全溶込みほどの強度が不要な箇所に幅広く使われます。開先加工が不要なため、施工が簡単です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 溶込み形状 | 三角形断面(表面のみ) |
| 別名 | フィレット溶接 |
| 主な用途 | ウェブの接合、補強プレート取り付けなど |
| 特徴 | 開先加工不要、施工しやすい |
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溶接部に発生する欠陥を溶接欠陥(ようせつけっかん)といいます。試験では名称と特徴がそのまま問われるため、一つずつ整理しておきましょう。
| 欠陥名 | 内容 |
|---|---|
| アンダーカット | 溶接止端部(ようせつしたんぶ)に溝状の欠陥が生じる。電流過大などが原因 |
| オーバーラップ | 溶接金属が母材に溶け込まずにあふれ出した状態。電流不足などが原因 |
| ブローホール | 溶接内部に気泡(気孔)が残った状態。水分・さびなどが原因 |
| クレーター | 溶接の終端部にできたくぼみ。凝固割れの起点になりやすい |
| 割れ(クラック) | 溶接金属または熱影響部に生じる亀裂。高温割れと低温割れがある |
溶接部の品質を確認するために、各種の検査が行われます。
試験対策では、完全溶込み溶接には超音波探傷試験が主に適用されると整理しておくと便利です。実務での適用条件は設計・施工条件によって異なります。
混同しやすい用語
完全溶込み溶接 と すみ肉溶接
完全溶込み溶接は、母材の板厚全体にわたって溶融させる方法です。
開先加工が必要で、柱・梁フランジのように高強度が要求される接合部に使われます。
すみ肉溶接は、母材の表面に三角形状の溶接金属を盛る方法です。
開先加工が不要で施工しやすく、ウェブなど比較的強度要求が低い部位に使われます。
「完全溶込み=全断面・高強度、すみ肉=表面のみ・施工容易」と対比で整理しましょう。
アンダーカット と オーバーラップ
アンダーカットは溶接止端部に溝ができる欠陥、オーバーラップは溶接金属があふれ出す欠陥です。名前が紛らわしいですが、「アンダー=掘れて溝になる、オーバー=はみ出てかぶさる」と覚えると整理しやすいです。
今回は鉄骨構造の溶接接合について説明しました。溶接接合の種類(完全溶込み溶接・すみ肉溶接)と溶接欠陥の名称を整理しておきましょう。
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溶接接合の特徴は?
鋼材を高熱で溶かして一体化させる接合方法です。部材を連続的に一体化でき剛接合に適し、ボルト孔が不要なため断面欠損がありません。一方で、施工品質が溶接士の技能や環境条件に左右されやすく、溶接部に残留応力や溶接欠陥が生じる可能性があります。
完全溶込み溶接とすみ肉溶接の違いは?
完全溶込み溶接(グルーブ溶接)は母材の全断面にわたって溶接金属が溶込む方法で、開先加工が必要ですが接合強度が高く、柱・梁フランジなど高強度が必要な箇所に使います。すみ肉溶接(フィレット溶接)は2つの母材表面に三角形断面の溶接金属を盛る方法で、開先加工が不要で施工しやすく、ウェブの接合や補強プレートの取り付けなどに使います。
