この記事の要点
等価静的地震力とは、地震時に建物に作用する動的な力を、設計計算で扱いやすいように静的な力(水平力)に換算したものです。許容応力度計算(ルート1・ルート2)などの静的な設計法の基礎になっています。
試験では「等価静的地震力は動的解析を近似する方法」「層せん断力係数Ciを用いて各層の地震力を算定する」という点が問われます。動的解析(時刻歴応答解析)との違いも整理しておきましょう。
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等価静的地震力とは、地震時の動的な力を静的な水平力として近似的に表し、構造設計に用いる方法です。
実際の地震は時刻とともに変化する動的な力ですが、これを静的な力として設計計算に使えるように変換したものです。今回は等価静的地震力の意味、地震層せん断力との関係、動的解析との違いについて説明します。
地震力の算定方法の基礎は、下記が参考になります。
等価静的地震力は、時々刻々と変化する地震動の加速度を、最大応答値に基づいて静的な水平荷重に置き換えた力です。イメージしてみてください。建物に地震が来ると、各層は動的に揺れます。この動きを「最大でどれくらいの水平力が作用するか」に変換して、静的な計算に使うのが等価静的地震力の考え方です。
この考え方を使えば、複雑な動的解析をしなくても、各層の地震力(層せん断力)を計算できます。日本の建築基準法に基づく許容応力度計算(ルート1・ルート2)では、等価静的地震力の考え方が基本になっています。
等価静的地震力を使うと、各層の地震層せん断力 Qiを次のように算定できます。
試験対策では、層せん断力係数Ciを用いて各層の地震力を算定する方法として押さえておきましょう。
上の式のCiに含まれるZ(地震地域係数)、Rt(振動特性係数)、Ai(層せん断力分布係数)が、地震力の計算を地域・建物特性・高さ方向に応じて補正します。
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等価静的地震力の方法と、動的解析(時刻歴応答解析など)の違いを下表で整理してください。
| 項目 | 等価静的地震力 | 動的解析 |
|---|---|---|
| 方法 | 動的効果を静的水平力に換算 | 時刻歴で動的応答を計算 |
| 計算の複雑さ | 比較的単純 | 複雑(専用ソフトが必要) |
| 主な適用 | ルート1・ルート2(許容応力度計算) | 超高層・免震建物など |
| 精度 | 近似値(保守的な場合もある) | より精密な応答を把握できる |
一般的な規模の建物では等価静的地震力で設計しますが、超高層や特殊な免震建物では動的解析を行います。試験対策では、「等価静的地震力は静的な設計法の基礎」「動的解析は高度な建物に使う」という区分で整理しましょう。
建築基準法の構造計算ルートでは、等価静的地震力の考え方が基本になっています。ルート1・ルート2では地震層せん断力 Qi をもとに設計します。ルート3(保有水平耐力計算)では地震力の分布をより詳しく検討します。
試験対策では「等価静的地震力はルート1・ルート2の静的設計の基礎である」として押さえましょう。実務では設計する建物の規模・形状に応じて、使用するルートが異なります。
混同しやすい用語
等価静的地震力 と 動的解析
等価静的地震力は、地震動を静的な水平力に換算して扱う方法です(計算が比較的シンプル)。
動的解析は、時刻歴で建物の振動応答を追う解析です(超高層・免震建物など高度な設計に用いる)。
「静的換算=等価静的地震力、時刻歴追跡=動的解析」で区別しましょう。
地震層せん断力 と 地震力
地震力(水平力)は各層に作用する地震の力です。
地震層せん断力(Qi)は、ある層より上の地震力をすべて足し合わせた合計です。層ごとの「せん断力」として設計に使います。
今回は等価静的地震力について説明しました。等価静的地震力は、動的な地震力を静的な水平力に換算して設計計算に用いる方法です。
地震層せん断力Qi=Ci×Wiの関係、動的解析との違い、建築基準法の構造計算ルートとの関係を合わせて確認しておきましょう。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。
試験での問われ方|管理人の一言
等価静的地震力という言葉は試験に直接は出にくいですが、「層せん断力係数Ci」「地震層せん断力Qi=Ci×Wi」という式の背景概念として重要です。Ci、Z、Rt、Aiの意味と使い方をセットで押さえると、地震力関連の問題に対応しやすくなります。
動的解析と静的計算の使い分けは「一般建築物→静的(等価静的)、超高層・免震→動的解析」という方向性で整理すると覚えやすいです。