建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 構造 No.29を解説、金属材料に関する誤りを見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.29は、金属材料に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

SN400Bの基準強度、圧延方向と板厚方向の強度、シャルピー衝撃試験と脆性破壊、アルミの線膨張係数が問われます。決め手は、脆性破壊の防止に、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが大きい鋼材と小さい鋼材のどちらが有効かです。

引っかけの核心は、「シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが小さい鋼材を使用することは、溶接部の脆性的破壊の防止に有効である」としているところです。吸収エネルギーが小さい鋼材はもろく、脆性破壊防止には吸収エネルギーが大きい鋼材が有効です。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢3(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 板厚40mm以下のSN400Bの基準強度F及び短期許容引張応力度は、235N/mm2です。正しい記述です。
2 ○(正しい) 熱間圧延鋼材の強度は、圧延方向に比べて板厚方向のほうが小さい傾向があります。正しい記述です。
3 ×(最も不適当) 溶接部の脆性的破壊の防止には、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが大きい鋼材が有効です。小さい鋼材が有効、とする点が誤りです。
4 ○(正しい) アルミニウムの線膨張係数は、鉄の約2倍です。正しい記述です。

選択肢3は、脆性破壊防止に吸収エネルギーが小さい鋼材が有効とした点が誤りで、吸収エネルギーが大きい(靱性の高い)鋼材が有効です。

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選択肢3のポイント

シャルピー衝撃試験は、切欠きを入れた試験片に振り子で衝撃を与え、破断までに吸収したエネルギー(吸収エネルギー)を測る試験です。吸収エネルギーが大きいほど、粘り強く(靱性が高く)、急にパキッと割れる脆性破壊を起こしにくい鋼材です。

溶接部は、熱の影響でもろくなりやすく、脆性破壊が心配される部位です。これを防ぐには、吸収エネルギーが大きい(靱性の高い)鋼材を選びます。吸収エネルギーが小さい鋼材はもろく、脆性破壊を起こしやすいので逆効果です。

選択肢3は、吸収エネルギーが小さい鋼材が脆性破壊防止に有効としていますが、有効なのは吸収エネルギーが大きい鋼材で誤りです。「シャルピー吸収エネルギーが大きい=靱性が高い=脆性破壊しにくい」と押さえます。

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覚え方

  • 脆性破壊の防止には、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが大きい(靱性の高い)鋼材が有効
  • 板厚40mm以下のSN400Bの基準強度F=235N/mm2
  • 熱間圧延鋼材は、圧延方向より板厚方向のほうが強度が小さい
  • アルミニウムの線膨張係数は、鉄の約2倍

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理解度チェック

Q.

シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが小さい鋼材は、溶接部の脆性的破壊の防止に有効である。〇か×か。

×。有効なのは吸収エネルギーが大きい(靱性の高い)鋼材です。小さい鋼材はもろく脆性破壊しやすいです。

Q.

板厚40mm以下のSN400Bの基準強度F及び短期許容引張応力度はいくらか。

235N/mm2です。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 金属材料(脆性破壊防止はシャルピー吸収エネルギーが大きい鋼材、SN400Bの基準強度235、圧延方向と板厚方向、アルミの線膨張係数):鋼構造設計規準・JIS G3136ほか。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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