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板厚方向とは、鋼板の厚み方向を意味します。通常、板厚方向に特別な性能は期待しませんが、引張力が作用する際など、板厚方向の靭性が必要になります。今回は板厚方向の意味、絞り値、ラメラテア、引張力との関係について説明します。板厚とtの関係は下記が参考になります。
厚みのtとは?1分でわかる意味、表記法、読み方、寸法と単位の関係
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板厚方向とは、下図のように鋼板の厚み方向を意味します。
板厚方向に引張力が作用するとき、ラメラテアと呼ばれる破壊が生じます。※ラメラテアについては後述しました。
ラメラテアを防止するため、引張力が作用する板厚にはSN400C又はS490Cの鋼材を利用します。
前述したラメラテアを防止するために、SN400Cには板厚方向の「絞り値」が下記のように規定されています。
絞り値の算定法、試験法はjis g 3199で規定されています。jis規格によれば、絞り値は下式で算定できます。
φが絞り値、Aoが元の断面積、Aが引張試験後の試験片の断面積です。絞り値の試験では、試験片は円形の鋼材を使い、これを引張試験します。引張試験後の鋼材をみると、破断面の円形部分は断面積が小さくなっています(鋼材には伸び能力があるため。極端に言うと、飴のようにニュ~と伸びる)。
絞り値は大きいほど、良い性能を発揮できます。また破断後の面積Aが小さいほど、絞り値は大きくなりますね。つまり、変形性能がある鋼材ほど絞り値が高いのです。
例えば、引張試験をして元断面積と破断後の断面積が全く同じ材料をイメージしてください(例えばガラスなど)。ガラスは伸び能力がないので、最大耐力を迎えて急に破断します。このような材料は絞り値が期待できません。
板厚方向に引張力が作用するとき、ラメラテアの恐れがあります。ラメラテアとは、板厚方向に剥離破壊する現象です。
これを防止するために、前述した絞り値の下限値や、S(硫黄)の上限値が規定されています。簡単に言うと、板厚方向も伸び能力のある材料を使う必要があります。建築で使う鋼材では、
が、耐ラメラテア性能を有した鋼材です。
板厚方向に引張力が作用する部材を下記に整理しました。
ダイアフラムやベースプレートは、応力状態で複雑で引張力が作用する箇所です。引張力が作用する鋼板はC材とするのが基本です。
また、特別な条件で引張力が作用する鋼板や鋼材はC材を使いましょう。
今回は板厚方向について説明しました。板厚方向の意味が理解頂けたと思います。言葉だけを暗記するとなかなか覚えづらいです。図をイメージして理解しましょう。またダイアフラムなど引張力が作用する板はSN400Cとします。実務ではごく当たり前なので、覚えておきたいですね。下記も参考にしてください。
板厚の読み方は?1分でわかる読み方、意味、板厚方向、tとの関係
厚みのtとは?1分でわかる意味、表記法、読み方、寸法と単位の関係
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