建築学生が学ぶ構造力学

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令和元年度 一級建築士 構造 No.29を解説、鋼材等に関する誤りを見抜くポイント

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令和元年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.29は、鋼材に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

SN材の基準強度と板厚、SN材C種の板厚方向の性能、BCR295の降伏比、ステンレス鋼の基準強度が問われます。決め手は、板厚が40mmを超えたときに基準強度が保証されるかです。

引っかけの核心は、SN材について「板厚が40mmを超えても40mm以下と同じ基準強度が保証されている」としているところです。板厚が40mmを超えると基準強度は低減されます。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(最も不適当) SN材でも、板厚が40mmを超えると基準強度は低減されます。40mm以下と同じ基準強度が保証されている、とする点が誤りです。
2 ○(正しい) SN材C種は、B種の規定に加えて板厚方向の絞り値の下限が定められ、通しダイアフラムなどに用いられます。正しい記述です。
3 ○(正しい) 冷間ロール成形角形鋼管BCR295は、板厚が一定以上の場合に降伏比の上限値が定められています。正しい記述です。
4 ○(正しい) 建築構造用ステンレス鋼SUS304Aは、降伏点が明確でないため、0.1%オフセット耐力をもとに基準強度が定められています。正しい記述です。

選択肢1は、板厚が40mmを超えても同じ基準強度が保証されるとした点が誤りで、40mmを超えると基準強度は低減されます。

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選択肢1のポイント

鋼材の基準強度Fは、設計で用いる基準となる強度です。同じ鋼種でも、板厚が厚くなると製造時に内部まで十分に鍛えられず、材料のばらつきが大きくなって強度が下がる傾向があります。

そのため、SN材を含む多くの構造用鋼材では、板厚が40mmを超えると、40mm以下の材より基準強度Fを低減する規定になっています。板厚が厚いからといって、薄い材と同じ基準強度をそのまま使うわけにはいきません。

選択肢1は、板厚が40mmを超えても同じ基準強度が保証されているとしていますが、実際は低減されるので誤りです。「厚い板(40mm超)は基準強度が下がる」と押さえます。

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覚え方

  • 鋼材の基準強度Fは、板厚が40mmを超えると低減される(SN材も同じ)
  • SN材C種は、板厚方向の絞り値の下限を規定=通しダイアフラム向き
  • BCR295は、板厚一定以上で降伏比の上限を規定
  • ステンレスSUS304Aは降伏点が明確でなく、0.1%オフセット耐力で基準強度を定める

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理解度チェック

Q.

SN材は、板厚が40mmを超えても40mm以下の材と同じ基準強度が保証されている。〇か×か。

×。板厚が40mmを超えると、基準強度Fは低減されます。

Q.

SN材C種は、B種に加えてどのような性能が定められているか。

板厚方向の絞り値の下限です。板厚方向に大きな引張力が働く通しダイアフラム等に用います。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「令和元年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 鋼材(基準強度は板厚40mm超で低減、SN材C種の板厚方向絞り値、BCR295の降伏比、ステンレスの基準強度):建築基準法施行令第90条・平成12年建設省告示第2464号、鋼構造設計規準(日本建築学会)。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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