建築学生が学ぶ構造力学

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平成29年度 一級建築士 構造 No.30を解説、構造設計に関する誤りを見抜くポイント

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平成29年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.30は、建築物の構造設計に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

耐震等級の高低、角形鋼管の許容曲げ応力度プレキャストRCのかぶり厚さ、鋼管杭の腐食代が問われます。決め手は、耐震性能の要求レベルを高くするために、耐震等級をどう変更するかです。

引っかけの核心は、耐震性能の要求レベルを高くするために「耐震等級を、等級3から等級1に変更した」としているところです。耐震等級は等級3が最も高く、要求レベルを高くするなら等級1から3に上げます。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(最も不適当) 耐震等級は等級3が最も高く、要求レベルを高くするなら等級1から3に上げます。等級3から等級1に変更、とする点が誤りです。
2 ○(正しい) 角形鋼管柱は閉断面で横座屈しないため、許容曲げ応力度を許容引張応力度と同じ値とできます。正しい記述です。
3 ○(正しい) 大臣が定めた構造方法によるプレキャストRC造で、直接土に接しない部分の鉄筋の最小かぶり厚さを2cmとするのは妥当です。正しい記述です。
4 ○(正しい) 地盤が強い酸性でない場合、鋼管杭の腐食代として厚さ1mmを見込むのは妥当です。正しい記述です。

選択肢1は、要求レベルを高くするために耐震等級を等級3から等級1に変更したとした点が誤りで、等級3が最も高く、高くするなら1から3に上げます。

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選択肢1のポイント

住宅性能表示制度の「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」は、等級1・2・3の3段階で、数字が大きいほど耐震性能が高いことを表します。等級1は建築基準法と同等、等級2はその1.25倍、等級3は1.5倍の地震力に耐える性能です。

したがって、耐震性能の要求レベルを高くしたいなら、等級を1から3へ上げるのが正しい方向です。等級3から等級1へ変更するのは、逆に要求レベルを下げることになり、目的と矛盾します。

選択肢1は、要求レベルを高くするために等級3から1に変更したとしていますが、変更の向きがで誤りです。「耐震等級は3が最高、性能を高くするなら1→3」と押さえます。

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覚え方

  • 耐震等級は3が最も高い(等級1=基準法同等、2=1.25倍、3=1.5倍)。性能を高くするなら1→3
  • 角形鋼管柱は閉断面で横座屈しない=許容曲げ応力度=許容引張応力度
  • 大臣認定のプレキャストRCは、直接土に接しない部分のかぶり2cmでよい
  • 鋼管杭の腐食代は、強い酸性でなければ厚さ1mmを見込む

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理解度チェック

Q.

耐震性能の要求レベルを高くするために、耐震等級を等級3から等級1に変更した。〇か×か。

×。耐震等級は等級3が最も高いので、性能を高くするなら等級1から3に上げます。3→1は要求レベルを下げます。

Q.

地盤が強い酸性でない場合、鋼管杭の腐食代としてどの程度の厚さを見込むか。

厚さ1mmを見込みます。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成29年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 構造設計(耐震等級は3が最高、角形鋼管の許容曲げ応力度、プレキャストRCのかぶり厚さ、鋼管杭の腐食代):住宅の品質確保の促進等に関する法律・日本住宅性能表示基準、鋼構造設計規準ほか。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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