建築学生が学ぶ構造力学

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平成30年度 一級建築士 構造 No.7を解説、地震力に関する誤りを見抜くポイント

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平成30年度 一級建築士試験 学科Ⅳ(構造)No.7は、建築基準法における建築物に作用する地震力に関する問題です。4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

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この問題のポイント

地震層せん断力係数Ciの算定、鉄骨造・木造の固有周期T、係数Aiの高さ方向の分布、そして地震層せん断力の求め方が問われます。決め手は、ある層の地震層せん断力を、どの範囲の重量に係数を乗じて求めるかです。

引っかけの核心は、ある層の地震層せん断力を「その層の固定荷重積載荷重の和に係数を乗じる」としているところです。実際は、その層より上にある全重量に係数を乗じます。

※ 問題文そのものは建築技術教育普及センターの公式PDFで確認できます。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

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各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 最下層のAiは1.0なので、Ci=Z・Rt・Ai・Co=1.0×0.9×1.0×0.2=0.18となります。正しい記述です。
2 ○(正しい) 鉄骨造・木造の設計用一次固有周期Tは、建築物の高さh(m)に0.03を乗じて算出できます(T=h×(0.02+0.01α)、α=1)。正しい記述です。
3 ○(正しい) Ciの高さ方向の分布を表す係数Aiは、建築物の上階になるほど大きくなります。正しい記述です。
4 ×(最も不適当) ある層の地震層せん断力は、その層より上の全重量に地震層せん断力係数Ciを乗じて算出します。その層の荷重だけに乗じる、とする点が誤りです。

選択肢4は、地震層せん断力をその層の固定荷重・積載荷重だけに乗じるとした点が誤りで、正しくはその層より上にある全重量に乗じます。

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選択肢4のポイント

地震層せん断力は、その層が地震時に負担する水平力です。ある層は、自分より上にあるすべての階の重さを地震時に支えて揺すられるので、力の計算にはその層より上の全重量を使います。

式で書くと、i層の地震層せん断力Qi=Ci×Wi です。ここでWiは、i層から上にある部分の固定荷重と積載荷重の合計(多雪区域では積雪荷重も加える)です。最下層ほど上に載る重量が大きいので、地震層せん断力も大きくなります。

選択肢4は、Wiを「その層の荷重だけ」としています。上階の重量を含めていないため、地震層せん断力を過小に見積もることになり、最も不適当です。「地震層せん断力=Ci×(その層より上の全重量)」と押さえます。

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覚え方

  • i層の地震層せん断力Qi=Ci×Wi。Wiはその層より上の全重量
  • Ci=Z・Rt・Ai・Co。Aiは上階ほど大きく、最下層のAiは1.0
  • 鉄骨造・木造の固有周期T=0.03h(RC造は0.02h)
  • 最下層は上に載る重量が最大=地震層せん断力も最大

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理解度チェック

Q.

ある層の地震層せん断力は、その層の固定荷重と積載荷重の和に地震層せん断力係数を乗じて求める。〇か×か。

×その層より上の全重量にCiを乗じて求めます。その層の荷重だけでは過小になります。

Q.

鉄骨造・木造の設計用一次固有周期Tは、高さhに対してどう算出できるか。

T=0.03h(=h×(0.02+0.01α)でα=1)です。RC造は0.02hです。

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出典

  • 建築技術教育普及センター「平成30年度 一級建築士試験 学科の試験 学科Ⅳ(構造)問題」
  • 地震力(地震層せん断力Qi=Ci×その層より上の全重量Wi、Ci=Z・Rt・Ai・Co、固有周期T=0.03h[鉄骨・木造]):建築基準法施行令第88条。
ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

建築士 過去問(構造)

プロフィール

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