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積載荷重ってなに?意味と考え方、建築基準法の値の一覧、固定荷重との違い

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積載荷重とは、人や物品(家具など)の重さによる荷重です。人や家具は移動し重さも変わります。つまり、積載荷重も位置や大きさが変わる荷重です。また、積載荷重は床や屋根に積載される(載る)荷重とも言えます。居室の種類に応じて人の密集度、物品の数、種類が変わるため、積載荷重の値も居室の種類に応じて変わります。また、実況として位置や大きさの変動の多い荷重のため、計算で求めるのではなく、あらかじめ、建築基準法施行令第85条、荷重設計指針、国交省建築構造設計規準などの各種規準に明記ある居室と居室に対応する積載荷重の値を用います。


今回は積載荷重の意味、考え方、建築基準法の値の一覧、固定荷重との違いについて説明します。固定荷重の詳細は下記をご覧ください。

荷重とは?1分でわかる意味、読み方、種類、応力との違い

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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積載荷重ってなに?意味と考え方、建築基準法の値の一覧

積載荷重とは、人や物品(家具など)の重さによる荷重です。人や家具は移動するし重さも変わります。たとえば、住宅と学校では人の数や家具の種類、数が全く違います。また、季節が変われば模様替えをして家具の配置を変えますし、時間帯によって、ある居室には全く人がいないこともあるでしょう。以上のように、積載荷重は荷重の位置、大きさが変わる荷重です。

積載荷重

実況として移動し大きさが変わる荷重ですから、真の意味で積載荷重を簡潔に求める計算式はありません。そのため、積載荷重は「居室の種類」に応じて、建築基準法施行令第85条、荷重設計指針、国交省建築構造設計規準などの各種規準に明記ある居室と居室に対応する積載荷重の値を設定します。これらの規準、たとえば荷重指針は研究者により部屋の使い方、荷重の位置、荷重の大きさを整理し、統計的に調整した値が示されています。


以上より、積載荷重はあくまでも居室の種類に応じて想定された荷重です。構造計算では場合により「積載荷重を考慮しないケース」で最大応力が生じることもある点に留意が必要です。なお、積載荷重の単位は、平米当たりの重量で書くことが一般的です。

では実際に、建築設計の実務ではどのような値を使っているか説明します。前述したように建築基準法施行令第85条で規定されています。下記の通りです。

建築基準法施行令第85条の積載荷重

上表の他にも下記の規準で積載荷重が設定されています。

積載荷重の考え方をもう少し具体的にイメージしやすいよう解説しましょう。前述したように、居室の種類に応じて人の密集度、物品の数、種類が変わります。よって、積載荷重も居室の種類に応じて値が変わります。人や物品の位置と大きさが変わるように、積載荷重は常時作用する荷重ですが、「固定しない」「荷重の位置が動く」のです。


例えば、一般の住宅を考えます。住宅の中には、どんな荷重があるのでしょうか。机、イス、テーブル、TV、ベッドなどがありますね。これらの重量物は、一生同じ場所に在り続けるでしょうか。そうとは限りません。部屋の模様替えをすれば、位置は変わります。


このように荷重の位置が変更される、又は荷重の大きさが不確定である荷重を積載荷重とイメージして良いです。人も同様です。特定の人しか建物を使わない居室(住居)よりも、不特定多数の人間が利用する「集会室」の方が人の数が多い分、荷重も大きくなります。


テーブルやベッドが置かれる程度の居室よりも、本棚があって書籍が沢山積まれる図書室の方が、荷重が大きいように、積載荷重の設定には、「居室名(居室の種類)、居室の用途」が重要です。建物の居室の使い方、居室の種類は「意匠設計者」が決定します。こういった荷重の設定でも、意匠設計者と構造設計者の密なコミュニケーションが必要とされるのです。


さて、積載荷重は下記の部材算定用別に「スラブ・小梁用、架構用、地震用」の3つの値があります。値の大小関係は必ず「スラブ・小梁用>架構用>地震用」となります。例として居室の積載荷重を明記しましょう。

スラブ・小梁用が最も大きく、地震用重量が最も小さいですね。荷重指針でこれらの設定根拠が明記されていますが、簡単に説明します。


地震力は建物全体に作用します。室内の重量が分散され、建物全体に作用すると考えれば、地震用の積載荷重は小さくて良い、という考えです。一方、スラブ・小梁用は、積載荷重を最も集中的に受ける部材です。そのため、スラブ・小梁用の積載荷重は最も大きい値となります。


正確な説明は、荷重指針を確認すると良いでしょう。

積載荷重と固定荷重の違い

固定荷重と積載荷重の違いを、下記に整理しました。下記の通り、固定荷重と積載荷重の大きな違いは「固定荷重は大きさと位置が変わらない、積載荷重は大きさ、位置が変わる」ことです。

まとめ

今回は、積載荷重について説明しました。積載荷重とは、人や物品(家具など)の重さによる荷重です。人や家具は移動し重さも変わります。つまり、積載荷重も位置や大きさが変わる荷重です。また、積載荷重は床や屋根に積載される(載る)荷重とも言えます。積載荷重は部屋の用途や、使い方で値が決まっています。実務では、部屋名や用途を意匠設計者と打ち合わせて積載荷重を決定するのです。下記も併せて学習しましょう。

積載荷重の計算式は?3分でわかる計算と使い分け、工場、ホテルの床

住宅の積載荷重は?1分で明かる値、一覧、地震用と床用の違い、床荷重とは?

屋上の積載荷重は?1分でわかる値と意味、一覧、鉄筋コンクリート屋上の耐荷重、非歩行屋根の積載荷重は?

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