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積載荷重とは、人や物品(家具など)の重さ(平米荷重、単位面積当たりの荷重)です。
たとえば、積載荷重には下記があります。
人や家具の重さは一定では無く、作用する位置や大きさが変わります。
居室の中で人は歩くし、人数も増えたり減ったりします。家具は模様替えで位置を変えたり、大きさも変わりますよね。
まるで活きているように荷重が変化するので、積載荷重のことを土木分野では活荷重(LL:Live Load)ともいいます。建築分野では積載荷重を記号で「LL」で表します。
積載荷重は建築物を構造設計するために必要不可欠な荷重で、建築基準法に規定されています。建築士試験で積載荷重について問われることも多いです。
今回は
について、積載荷重を毎日扱っていた構造設計者がわかりやすく解説します。
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積載荷重とは、人や物品(家具など)の重さ(平米荷重、単位面積当たりの荷重)です。
なお、誤った解釈をされがちですが
ので注意しましょう。
積載荷重は、屋根上や屋上にも作用する荷重です。
とくに、通常は人がいない屋根上でも短期荷重として積載荷重を考量する場合もあります。
たとえば、積載荷重の例として下記があります。
人や家具は移動するし重さも変わります。たとえば、住宅と学校では人の数や家具の種類、数が全く違います。
また、季節が変われば模様替えをして家具の配置を変えますし、時間帯によって、ある居室には全く人がいないこともあるでしょう。
つまり、積載荷重は荷重の位置、大きさが変わる荷重です。
積載荷重の具体例を下記に示します。
積載荷重の代表格が「人の重さ」です。また、ベッドや机、椅子などの家具類は場所が固定されず、大きさ(重さ)が変わるので積載荷重になります。
人の多さ、物品の多さは居室の使われ方、種類によって違います。そのため積載荷重の値は、居室の種類ごとに規定されるのです。
まるで活きているように荷重が変化するので、積載荷重のことを土木分野では活荷重(LL:Live Load)ともいいます。建築分野では積載荷重を記号で「LL」で表します。
居室の種類に応じて人の密集度、物品の数、種類が変わるため、積載荷重の値も居室の種類に応じて変わります。
また、積載荷重は位置や大きさの変動の多い荷重のため、計算で求めるのではなく、
あらかじめ
などの各種規準に明記ある居室と居室に対応する積載荷重の値を用います。
積載荷重の考え方をもう少し具体的にイメージしやすいよう解説しましょう。
前述したように、居室の種類に応じて人の密集度、物品の数、種類が変わります。
よって、積載荷重も居室の種類に応じて値が変わります。人や物品の位置と大きさが変わるように、積載荷重は常時作用する荷重ですが、
のです。
例えば、一般の住宅を考えます。住宅の中には、どんな荷重があるのでしょうか。机、イス、テーブル、TV、ベッドなどがありますね。
これらの重量物は、一生同じ場所に在り続けるでしょうか。そうとは限りません。部屋の模様替えをすれば、位置は変わります。
このように
を積載荷重とイメージして良いです。
人も同様です。特定の人しか建物を使わない居室(住居)よりも、不特定多数の人間が利用する「集会室」の方が人の数が多い分、荷重も大きくなります。
テーブルやベッドが置かれる程度の居室よりも、本棚があって書籍が沢山積まれる図書室の方が、荷重が大きいように、積載荷重の設定には、「居室名(居室の種類)、居室の用途」が重要です。
建物の居室の使い方、居室の種類は「意匠設計者」が決定します。こういった荷重の設定でも、意匠設計者と構造設計者の密なコミュニケーションが必要とされるのです。
実況として移動し大きさが変わる荷重ですから、真の意味で積載荷重を簡潔に求める計算式はありません。
そのため、積載荷重は「居室の種類」に応じて
などの各種規準に明記ある居室と居室に対応する積載荷重の値を設定します。
これらの規準、たとえば荷重指針は研究者により部屋の使い方、荷重の位置、荷重の大きさを整理し、統計的に調整した値が示されています。
前述したように建築基準法施行令第85条で規定されています。下記の通りです。
上表の他にも下記の規準で積載荷重が設定されています。
積載荷重は下記の部材算定用別に
の3つの値があります。
値の大小関係は必ず
となります。例として居室の積載荷重を明記しましょう。
スラブ・小梁用が最も大きく、地震用重量が最も小さいですね。荷重指針でこれらの設定根拠が明記されていますが、簡単に説明します。
地震力は建物全体に作用します。室内の重量が分散され、建物全体に作用すると考えれば、地震用の積載荷重は小さくて良い、という考えです。
一方、スラブ・小梁用は、積載荷重を最も集中的に受ける部材です。そのため、スラブ・小梁用の積載荷重は最も大きい値となります。
以上、スラブ・小梁用>架構用>地震用の荷重を整理すると下記となります。
上記をみると、①→②→③の順に積載荷重を負担する構造部材が増えており、部材に作用する積載荷重の集中度合いが平均化されることがわかりますね。
この積載荷重のイメージをもっておけば、建築士試験などで出題される
ことを理解しやすいです。
積載荷重は単位面積当たりの力、平米荷重です。よって、積載荷重の単位は、平米当たりの重量で書くことが一般的です。
積載荷重の定義は建築基準法第20条に明記あります。
第二十条
建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして、次の各号に掲げる建築物の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める基準に適合するものでなければならない。
法第20条では積載荷重に関する直接的な言及はありません。
さらに、建築基準法施行令第83条では積載荷重に関して下記の明記があります。
第八十三条
建築物に作用する荷重及び外力としては、次の各号に掲げるものを採用しなければならない。 一 固定荷重 二 積載荷重 三 積雪荷重 四 風圧力 五 地震力 2 前項に掲げるもののほか、建築物の実況に応じて、土圧、水圧、震動及び衝撃による外力を採用しなければならない。
建築基準法施行令第83条より、積載荷重は建築物に作用する荷重及び外力として定義されていることがわかります。
さらに、施行令第85条では前述したように「代表的な居室ごとの積載荷重」が明記されています。
固定荷重と積載荷重の違いを、下記に整理しました。下記の通り、固定荷重と積載荷重の大きな違いは「固定荷重は大きさと位置が変わらない、積載荷重は大きさ、位置が変わる」ことです。
固定荷重の詳細は下記が参考になります。
柱に作用する積載荷重は支える床の数に応じて低減できます(建築基準法施行令第85条の第2項)。
支える数と積載荷重の低減のために乗ずべき(掛け算する)数値を下記に示します。
低減のための乗ずべき数値と適用される柱を下図に示します。
なぜ、柱に作用する積載荷重を低減できるのか。これは
です。上図の通り、実際の人や物品の多さは各居室でバラツキがあります。よってささえる床の数が多くなると、その分、積載荷重が平均化され、偏りが小さくるわけです。
ただし、柱に作用する積載荷重(要は軸力)は
ので
なります。また、劇場、映画館等の場合は
ので注意しましょう。
今回は、積載荷重について説明しました。
上記の通り、積載荷重は部屋の用途や、使い方で値が決まっています。実務では、部屋名や用途を意匠設計者と打ち合わせて積載荷重を決定するのです。下記も併せて学習しましょう。
積載荷重の計算式は?3分でわかる計算と使い分け、工場、ホテルの床
住宅の積載荷重は?1分で明かる値、一覧、地震用と床用の違い、床荷重とは?
屋上の積載荷重は?1分でわかる値と意味、一覧、鉄筋コンクリート屋上の耐荷重、非歩行屋根の積載荷重は?
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