この記事の要点
固定荷重は建物自体の自重で変化しない荷重であり、積載荷重(人・家具など可動のもの)とは区別される。構造計算では固定荷重と積載荷重の合計が鉛直荷重となり、部材の単位体積重量(kN/m3)から正確に算定することが設計の精度に直結します。
この記事では、固定荷重とは何か、どのような種類があるのか、積載荷重とどう違うのかを整理します。
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固定荷重とは、建物を構成する構造部材、外装材、内装材などの「自重(自分の重さ)」です。
言い換えると
です。物体には質量があり、地球上には重力が作用します。そのため、建物を構成する部分の「全て」が重さとなって作用するのです。
これは構造部材でも例外ではありません。つまり、構造部材は重さを支えると同時に"自分自身の重さ"が作用します。
固定荷重の具体的として、建物を構成する柱、梁、壁、床などの構造部材の自重や、内装、建具などの仕上げ材の自重が固定荷重に相当します。
建物を構成する構造部材や仕上げ材の位置と大きさは一度建物がつくられてしまえば、それ以降、変わることは無いです。つまり、固定荷重は位置と大きさが変わらない(固定された)荷重といえます。
今回は
について説明します。荷重の意味、積載荷重の詳細は下記が参考になります。
荷重(かじゅう)とは?意味・読み方・種類(静荷重・動荷重)を解説
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固定荷重とは、
です。言い換えると
といえます。
また、固定荷重は常時作用する荷重で、建物が存在し続ける限り荷重の大きさや位置の変動が無い荷重です。
「常時作用する~」とは、常に作用するという意味です。「建物が存在し続ける限り荷重の大きさや位置の変動がない」とは、どういうことでしょうか。
建物を構成する構造部材や仕上げ材の位置と大きさは一度建物がつくられてしまえば、それ以降、変わることは無いです。
つまり、固定荷重は位置と大きさが変わらない(固定された)荷重といえます。
自重(じじゅう)とは?意味・読み方・梁やコンクリートでの計算方法を解説
建物は「柱、梁、床、壁」などの構造部材で構成されています。
構造部材は、建物の地震や家具や人の重さなど、重量物を支えるために必要です。
一方で、構造部材自体にも重さがあります。これを「自重(自分の重量)」といいます。
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つまり、構造部材は地震力に耐えたり、積載される重量を支える一方で、自分の重量に対して安全である必要があります。
自分の重量すなわち自重は、建物がある限り永久に作用し続ける荷重です。
建物が建てられた時点から、自重の大きさや作用する位置は永久に変わることが無いのです。よって
です。
下図をみてください。具体的には、建物を構成する柱、梁、壁、床などの構造部材の自重や、内装、建具などの仕上げ材の自重が固定荷重に相当します。
固定荷重の具体例を下記に示します。
他にも、床のフローリングや間仕切り壁、天井、照明などは、改修されない限り、位置や重さに変更はありません。これらの仕上げ材も固定荷重です。固定荷重の種類と一覧を下記に示します。
【表 固定荷重(令84条)】

例として床に作用する固定荷重を計算します。下図をみてください。鉄筋コンクリートのスラブ150mmの上にタイルカーペット7mmが仕上げてあります。なお、タイルカーペットの固定荷重は60N/m2とします。

上図の床に作用する床荷重は
・24×150+60=3660≒3700N/m2
のように算定できます。鉄筋コンクリートスラブの固定荷重は、スラブ厚とRCの単位体積重量を掛け算して求めます。仕上げ材の固定荷重は、各メーカーのカタログ、荷重設計指針、各種規準をご参考ください。
ここでは代表的な固定荷重となる構造部材の種類について説明します。構造計算では、これらの荷重を平米当たりの重さで表します。
・固定荷重の単位 N/㎡、kN/㎡
では、それぞれの固定荷重について特徴を説明しましょう。
屋根は固定荷重です。理由は前述した通りですね。屋根の種類は様々です。
鉄骨造なら、折板やALC屋根、鉄筋コンクリート造(rc造)であれば、RC造のスラブなどです。
屋根は人がのることがありません。よって、比較的軽い荷重です。※折板、スラブについては、下記が参考になります。
折板(おりいた)とは?読み方・施工方法・最小勾配と断面記号88の意味
スラブとは?意味・特徴・種類・遮音性・土間との違いをわかりやすく解説
床は最も注意すべき固定荷重です。例えば公共施設の床は、普通鉄筋コンクリート造でつくります。
さらに、人が載って動き回ります。天井や、床の仕上げ、間仕切り壁など、考慮する固定荷重も多いので、荷重の設定や部材の算定は気をつけましょう。
部材の大きさにかなり影響する固定荷重の1つです。
壁も固定荷重の1つです。鉄骨造であればALC版や、押出し成形セメント版、サイディングがあります。
これらの荷重は比較的軽いです。一方、鉄筋コンクリート造の場合は、壁は床と同じくらい重い荷重です。
※押出し成形セメント版、サイディングについては、下記が参考になります。
押出成形セメント板(ECP)とは?ALCとの違い・厚さの規格と特徴
柱や梁は、前述したように地震力に耐える重要な構造部材です。一方で自重があります。
鉄骨、木造の場合、重さは大したことはありません。鉄筋コンクリートの場合、かなり大きな重量になるため注意が必要です。
※柱・梁については、下記が参考になります。
柱・梁とは?役割の違い・柱梁接合部・剛比の計算をわかりやすく解説
仕上げとは、例えば床のフローリングやタイルのことです。構造部材以外を、仕上げ荷重と考えても良いでしょう。
仕上げも固定荷重の1つです。前述した固定荷重と比べると、重さの割合は少ない方ですが、無視すると部材の大きさに影響を及ぼすので注意します。
さて、ここまでの解説を読むと、家具や本棚、倉庫にある品も固定荷重か?と思いそうですが、違います。
なぜなら、家具や本は位置を移動させることができます。
もっといえば、本を売りに出して本の数が減ったり、家具の形が変わって以前より大きな家具になることもあります。
このように位置や大きさが変動する荷重を積載荷重といいます。積載荷重については、下記が参考になります。
積載荷重ってなに?1分でわかる積載荷重の意味と、実際の構造計算
よって、「何が固定荷重か?」と思ったとき、「その重量物を移動させることができるのか」考えてみましょう。
あなたの力で柱や梁の位置を変えることはできませんよね。天井や間仕切り壁の位置も難しいですね。
これが固定荷重と積載荷重の大きな違いです。固定荷重と積載荷重の違いを下記に整理しました。
・固定荷重 ⇒ 建物の重さそのもの(自重)。柱、梁、壁の自重、仕上げ材、建具の自重等。荷重の作用する位置、大きさが固定された荷重
・積載荷重 ⇒ 人や物品の重さ。位置や大きさは変動する荷重のため、各規準を参考して居室の用途に応じた荷重を設定する
固定荷重と積載荷重の違いは?定義・求め方(建基法)・荷重組み合わせを解説
混同しやすい用語
固定荷重
建物自体の重さ(構造体・仕上げ材など)で、位置・大きさが変わらない荷重。
積載荷重
人や家具・設備など、位置・大きさが変動する荷重。
固定荷重を整理した表を示します。
| 荷重種別 | 具体例 | 単位 |
|---|---|---|
| 構造体(RC) | 柱・梁・スラブ・壁 | 24kN/m3 × 厚さ |
| 外装材 | 外壁・屋根材・ALC版 | N/m2(仕様による) |
| 仕上げ材 | 床タイル・天井・内壁 | 各メーカーカタログ参照 |
今回は、固定荷重について説明しました。固定荷重とは建物そのものの重さ(建物の自重)です。
具体的には、建物を構成する柱、梁、壁、床などの構造部材の自重や、内装、建具などの仕上げ材の自重が固定荷重に相当します。
特に注意して頂きたいことは、積載荷重との区別です。例えば家具や書籍は一見すると固定荷重のように思います。
しかし、違います。これらは積載荷重です。そのような、固定荷重と積載荷重の違いを理解できれば、固定荷重の意味も自ずとわかるでしょう。
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