建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 構造計算の基礎 > 固定荷重ってなに?意味と種類の一覧、特徴、積載荷重との違い

固定荷重ってなに?意味と種類の一覧、特徴、積載荷重との違い

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


固定荷重とは建物そのものの重さ(建物の自重)です。具体的には、建物を構成する柱、梁、壁、床などの構造部材の自重や、内装、建具などの仕上げ材の自重が固定荷重に相当します。建物を構成する構造部材や仕上げ材の位置と大きさは一度建物がつくられてしまえば、それ以降、変わることは無いです。つまり、固定荷重は位置と大きさが変わらない(固定された)荷重といえます。今回は固定荷重の意味、種類の一覧、特徴、積載荷重との違いについて説明します。荷重の意味、積載荷重の詳細は下記が参考になります。

荷重とは?1分でわかる意味、読み方、種類、静荷重と動荷重、交番荷重

積載荷重ってなに?1分でわかる積載荷重の意味と、実際の構造計算

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

LINEで質問したい方はこちら ⇒ 【好評】管理人にLINEで質問してみよう

固定荷重ってなに?意味と種類の一覧

固定荷重とは、


・建物そのものの重さ(建物の自重)。常時作用する荷重で、建物が存在し続ける限り荷重の大きさや位置の変動が無い荷重のこと


です。具体的には、建物を構成する柱、梁、壁、床などの構造部材の自重や、内装、建具などの仕上げ材の自重が固定荷重に相当します。


固定荷重


「常時作用する~」とは、常に作用するという意味です。


「建物が存在し続ける限り荷重の大きさや位置の変動がない」とは、どういうことでしょうか。建物を構成する構造部材や仕上げ材の位置と大きさは一度建物がつくられてしまえば、それ以降、変わることは無いです。つまり、固定荷重は位置と大きさが変わらない(固定された)荷重といえます。


建物は「柱、梁、床、壁」などの構造部材で構成されています。構造部材は、建物の地震や家具や人の重さなど、重量物を支えるために必要です。一方で、構造部材自体にも重さがあります。これを「自重(自分の重量)」といいます。※構造部材については、下記が参考になります。

構造部材とは?1分でわかる意味、種類、定義、非構造部材との違い


つまり、構造部材は地震力に耐えたり、積載される重量を支える一方で、自分の重量に対して安全である必要があります。


自分の重量すなわち自重は、建物がある限り永久に作用し続ける荷重です。建物が建てられた時点から、自重の大きさや作用する位置は永久に変わることが無いのです。よって


自重=固定荷重


です。

自重とは?1分でわかる意味、建築物、梁、コンクリートでの計算、読み方


他にも、床のフローリングや間仕切り壁、天井、照明などは、改修されない限り、位置や重さに変更はありません。これらの仕上げ材も固定荷重です。固定荷重の種類と一覧を下記に示します。

【表 固定荷重(令84条)】

表 固定荷重


例として床に作用する固定荷重を計算します。下図をみてください。鉄筋コンクリートのスラブ150mmの上にタイルカーペット7mmが仕上げてあります。なお、タイルカーペットの固定荷重は60N/m2とします。


固定荷重の計算


上図の床に作用する床荷重は


・24×150+60=3660≒3700N/m2


のように算定できます。鉄筋コンクリートスラブの固定荷重は、スラブ厚とRCの単位体積重量を掛け算して求めます。仕上げ材の固定荷重は、各メーカーのカタログ、荷重設計指針、各種規準をご参考ください。

色々な固定荷重と構造部材

ここでは代表的な固定荷重となる構造部材の種類について説明します。構造計算では、これらの荷重を平米当たりの重さで表します。


・固定荷重の単位  N/㎡、kN/㎡


では、それぞれの固定荷重について特徴を説明しましょう。

屋根

屋根は固定荷重です。理由は前述した通りですね。屋根の種類は様々です。鉄骨造なら、折板やALC屋根、鉄筋コンクリート造(RC造)であれば、RC造のスラブなどです。屋根は人がのることがありません。よって、比較的軽い荷重です。※折板、スラブについては、下記が参考になります。

折板とは?1分でわかる意味、読み方、施工方法、勾配、88とは

スラブとは?専門家が解説!特徴、遮音性、種類【建築用語】

床は最も注意すべき固定荷重です。例えば公共施設の床は、普通鉄筋コンクリート造でつくります。さらに、人が載って動き回ります。天井や、床の仕上げ、間仕切り壁など、考慮する固定荷重も多いので、荷重の設定や部材の算定は気をつけましょう。部材の大きさにかなり影響する固定荷重の1つです。

壁も固定荷重の1つです。鉄骨造であればALC版や、押出し成形セメント版、サイディングがあります。これらの荷重は比較的軽いです。一方、鉄筋コンクリート造の場合は、壁は床と同じくらい重い荷重です。※押出し成形セメント版、サイディングについては、下記が参考になります。

押出成形セメント板とは?1分でわかる特徴、ALCとの違い、厚さの規格

サイディングの役割は?種類と耐震性について

柱・梁

柱や梁は、前述したように地震力に耐える重要な構造部材です。一方で自重があります。鉄骨、木造の場合、重さは大したことはありません。鉄筋コンクリートの場合、かなり大きな重量になるため注意が必要です。※柱・梁については、下記が参考になります。

柱、梁とは?1分でわかる役割、違い、剛比の計算

仕上げ

仕上げとは、例えば床のフローリングやタイルのことです。構造部材以外を、仕上げ荷重と考えても良いでしょう。仕上げも固定荷重の1つです。前述した固定荷重と比べると、重さの割合は少ない方ですが、無視すると部材の大きさに影響を及ぼすので注意します。

固定荷重と積載荷重の違い

さて、ここまでの解説を読むと、家具や本棚、倉庫にある品も固定荷重か?と思いそうですが、違います。なぜなら、家具や本は位置を移動させることができます。もっといえば、本を売りに出して本の数が減ったり、家具の形が変わって以前より大きな家具になることもあります。このように位置や大きさが変動する荷重を積載荷重といいます。積載荷重については、下記が参考になります。

積載荷重ってなに?1分でわかる積載荷重の意味と、実際の構造計算


よって、「何が固定荷重か?」と思ったとき、「その重量物を移動させることができるのか」考えてみましょう。あなたの力で柱や梁の位置を変えることはできませんよね。天井や間仕切り壁の位置も難しいですね。これが固定荷重と積載荷重の大きな違いです。固定荷重と積載荷重の違いを下記に整理しました。


・固定荷重 ⇒ 建物の重さそのもの(自重)。柱、梁、壁の自重、仕上げ材、建具の自重等。荷重の作用する位置、大きさが固定された荷重

・積載荷重 ⇒ 人や物品の重さ。位置や大きさは変動する荷重のため、各規準を参考して居室の用途に応じた荷重を設定する


固定荷重と積載荷重の違いは?考え方と求め方は?

まとめ

今回は、固定荷重について説明しました。固定荷重とは建物そのものの重さ(建物の自重)です。具体的には、建物を構成する柱、梁、壁、床などの構造部材の自重や、内装、建具などの仕上げ材の自重が固定荷重に相当します。特に注意して頂きたいことは、積載荷重との区別です。例えば家具や書籍は一見すると固定荷重のように思います。しかし、違います。これらは積載荷重です。そのような、固定荷重と積載荷重の違いを理解できれば、固定荷重の意味も自ずとわかるでしょう。下記も併せて学習しましょう。

積載荷重ってなに?1分でわかる積載荷重の意味と、実際の構造計算

固定荷重のDLとは?1分でわかる意味、LL、TLとの違い、Gの意味

荷重指針とは?1分でわかる意味、固定荷重、積載荷重、風荷重

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


▼スポンサーリンク▼

▼【好評!】管理人おすすめ▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

noteで学ぶ建築士試験の構造

ゼロから建築士試験の構造を勉強しよう~!

ゼロから学ぶ建築士試験の構造

【好評】LINEで質問!

管理人に質問してみる?

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

【初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

▼【好評!】管理人おすすめ▼

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 構造計算の基礎 > 固定荷重ってなに?意味と種類の一覧、特徴、積載荷重との違い
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事